12.02.2016

[film] The Girl on the Train (2016)

11月20日、日曜日の夕方、日比谷でみました。

Rachel(Emily Blunt)はMetro-North(鉄道)のハドソンラインでマンハッタンに通勤していて電車の窓から見える幸せそうなカップルを見てその幸せっぷりを妄想したりするのが日課で、でもある日いつものように覗いてみたら彼女が別の男といちゃついていて、あら何かしら誰かしらのパニックになって、妄想は更にとんでもなく膨らんで、電車を降りて問い詰めにいったら途中で記憶をうしなって倒れていて、しばらくしたらその彼女の遺体が森の奥で見つかって警察も来るようになって、いったいどういうことなのか、になる。

単調な通勤の往ったり還ったり、そこの窓から見えるいつもと同じはずの光景の線上でいろんなことが起こってとにかく大変なんだったら。
レールの上を走る電車に幽閉されてもがくRachel、奔放で素敵にみえるMegan(Haley Bennett) - Rachelが見ていたのは彼女、そこから数軒先に住んで落ち着いているマダムのAnna(Rebecca Ferguson)、この3人の女性のオン・レール、オフ・レールの関係、電車のなかから見えるもの見えないもの、いろいろあって、それらの線の絡み具合が見えてきたと思ったらその中心部で記憶が白濁してしまってそれってだれかのせいなのかあたしが悪いのか、どれもありえそうだからどうしていいかわからない。

で、彼女たちの周りに現れる男たちも3人、どいつもこいつもそれなりに怪しいのだが、でも”Gone Girl” (2014)みたいなケースだってあるわけだしな。 ここにあるのは単なる謎解きの面白さ、というより謎が謎として固められていった過程も含めて見守って納得して、最後には戦慄する、ていう。 ものすごい怨念とか狂気とか恨み妬みが蠢いていたわけではなかった、穏やかなハドソン川の脇を走る通勤電車に乗っていただけで済んだかもしれなかったこと、じゃないの? って。

そういう動機とか闇のなかで転がっていく妄執は確かにおっかないのだが、でもあの決着のつけかたを見るとそんなのぜんぶふっとんでしまう。 あんな痛いことやっちゃいけないわ。

Emily Bluntさんて、いろんな情念が凝り固まりすぎて自分でわけわかんなくってこんがらがって放心、の表情がほんとにうまくてこわくて。この作品の彼女はそのモードが全開なの。

日本でおなじことやろうとしたらやっぱり団地妻系になっちゃうのかしら。ニュータウンかしら。

しかし今年のハドソン川、映画とは言え、まんなかには飛行機おちてくるし、川べりではこんな事件起こるし、いいかげんにしてほしい、って川は思っている。

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