10月10日、連休最終日の昼、有楽町でみました。
Ron Howardによる、Beatles初期 - 欧米のチャートを席巻し世界中をツアーして前代未聞のスケールのバンドに膨れあがっていった時期のドキュメンタリー。
残されているライブフィルムやTV出演時のクリップを音質も含めてものすごい肌理細かさで(たっぷりお金かけて)復元して画と音を同期させて、決定版の、誰も文句の付けようがないであろうクオリティのライブフィルムを作っている。
わたしはBeatlesはふつーに好き、程度のものなので、日本にうじゃうじゃいるマニアのおっさん達の目から見てどんなレベルのものなのかはわからないし興味もないのだが、このフィルムはあの頃のBeatlesはこんなにすごかったんだねえ、さいこーだねえ、ていうだけのものとはちょっと違うのではないか、と思った。
Beatlesがすごいこと、彼らがものすごい努力をして苦労を経てその結果当然のように有名になって、それだけじゃなくて音楽的にも革新的なことを成し遂げていって渋谷陽一観点でだんとつの申し分のない存在である/になったことは言うまでもないのだが、この映画のまんなかにいるのは彼らをその熱狂と共に世界に放った女の子たちだ、というかんじがとってもした。
とにかく彼女たちの絶叫、失神(寸前)も含めたいろんな、ものすごい表情と笑顔に泣き顔、その迫力とヴォリュームがものすごくて、The Beatlesは彼らの楽曲にのせてこれら少女たちのすべてを全世界に思いっきり解き放ったのだ、と改めておもう。 その、60年代初めに世界中で起こった痛快としかいいようのない事態がしっかりと記録されていて、このフィルムは彼女たちのものなのだと思った。
おまけで上映されたShea Stadiumのライブなんて、女の子たちの面白さにばかり目がいっちゃうし。
その観点からすると、このフィルムはこれの少し前に見た”Teenage”とおなじようにある時代が発明した特定の世代・年代の話なのかもしれない、と思ったらJon Savageさんが出てきてなんか言っていたり。
なので、コメントとしては当時あの群れのど真ん中にいた熱狂的ファン - Whoopi GoldbergとかElvis Costelloのがやっぱりしみじみとおもしろいの。
これに対して日本の写真家のコメントとかって、いっつもそうだけど半端に文化人しようとしててつまんないのよね。オレは黒船を見たんだ、とか、そもそもThe Beatlesというのは… とかそんなオヤジの自慢話にしかなっていない。そんなのどうでもいいのに - なんでストレートに自分の熱狂を、頭に血がのぼった様を語らないのかしらん。
最後のほうでは”Let It Be”のときのビルの屋上セッションが出てきて嬉しかった。
小学生のとき、映画の”Let It Be”がTV放映されて、買ってもらったばかりのラジカセのマイクをTVのスピーカーにくっつけて(ケーブルなんてあるのさえ知らなかった)懸命に録音して、これを繰り返し何百回も聴いてた。これが最初のBeatlesで、あとでレコード買って聴いたらなんかがっかりした。
しかしまあ若い人たち、見事に見にきていないよねえ。 なんとかならないものか。
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