7.16.2016

[film] Les rendez-vous de Paris (1995)

6月11日の土曜日、こんどはアンスティチュの方でロメールを見ました。 これは見たことなかった。
デジタルじゃなくて、こっちは35mmフィルムのロメール。 これはこれでいいのなー。

『パリのランデブー』。  英語題は、“Rendezvous in Paris”

3話構成のオムニバスで、各話の始めと終わりに街角で変なかっこした男女のふたり組の歌が入る。 各話の登場人物からすると、おちょくってんのかてめえ、て思うはず。

Le rendez-vous de 7 heures : 7時の約束
試験前勉強で忙しいエステルは恋人のオラスとべたべたなのだが、彼が自分と会っていないとき - 7時に別の女とカフェで会っているという噂を聞いて動揺して上の空になって、マーケットで買い物中にナンパされた男に7時にそのカフェで会いましょ、と言ってみる。
その後で財布がなくなっていることに気づいてあのやろー、と思うのだが、その晩に別の女の子が財布を届けてくれる。
その子が彼とカフェ(あのカフェ)で7時に待ち合わせてるの、て言ったのでぴんときたエステルは、彼女について行ってみるとやっぱしオラスが現れたので、このくそやろうー て中指を。 
そこにナンパした野郎も現れるのだが、なすすべもなし。

Les bancs de Paris :  パリのベンチ
彼は郊外に住む教師で、彼女は同棲中の恋人がいて、ふたりでパリのいろんな公園で逢瀬を重ねていくのだが、彼が自宅に連れこもうとしてもなかなか来てくれなくて、屋根のないとこでしか会えないのでなかなか親密になれない。
彼女の同棲相手が親類の結婚式で留守にするというので、じゃあぼくらもどこかへ行こう、と彼は誘って、彼女は観光客気分でパリのホテルに泊まりたい、前から気になっているとこがある、と。
当日スーツケースをもってわくわくして行ってみると、同じホテルに 彼女の恋人が別の女と入っていくのが見えて彼女はがっくし。 彼はいいじゃんあんな奴、てこっちに寄せようとするのだが、彼女は恋人がいないんだったら、あなたなんて、という。(暗)

Mère et Enfant, 1907 :  母と子 1907年
画家のアトリエ兼住居に知り合いの知り合いくらいの紹介でスウェーデン娘が訪れて、この娘は絵にはぜんぜん興味ないらしいのだがそれでも近所にあるピカソ美術館に案内して、じゃあ8時に会おう、て告げて家に戻ろうとしたところで別の娘とすれ違って、彼女に導かれるように再びピカソ美術館に戻り、怪訝な顔のスウェーデン娘に向かって気になる彼女が立ち止まって食い入るように見ている『母と子1907年』の絵のところで彼女に聞こえるように絵の説明をして、その後美術館の外まで彼女を追いかけて、問い詰めてみれば彼女は新婚さんで、それでもめげずにがんばると彼女はアトリエまで来てくれるのだがなんも起こらなくて彼女は帰っちゃって、彼は未練たらたら絵筆を - 。

えーつまり、どのお話しもあと一歩のところで躓いたり滑ったり空振りしたり、天を仰いでがっくりするのは男のほうでとってもいい気味で、で、これらの男たちはぜんぜん懲りずに同じことを繰り返していくにちがいない。 パリのランデブー、ていうのはそういうもんなんだって。

これがニューヨークのランデブーになると、1話目のオラスの前カノと今カノは親密になって、2話目のホテルに入って行った女と先に入られた彼女は鉢合わせして仲良くなって、3話目のスウェーデン娘と新婚の彼女も仲良くなって、結局オトコ共はみんな打ち棄てられて、そうなった者達はみんな親密になるのだが、でもみんな永遠に幸せにはなれないの。 たぶん。

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