10.14.2015

[log] October 13 2015 - Dallas

LAX経由でDallasに着いたのが13日の夜、19:00くらいで、まだ外は明るくて、Taxiでホテルに着いた頃にようやく暗くなった。

部屋に入って20:00、テーブルの上にパン、チーズ4種類、蜂蜜の切り出された塊、蜜に漬かったナッツにクランベリー、アプリコットにリンゴ、が並べられたプレートが置いてあって、これは絶対なんかの罠だと思ったのだが、蜜がなんだか誘ってくるものだから、晩にどこかに出かける気も、スズメになる気も失せた。
おいしい。 けど体にはとってもよくない。

行きの飛行機で見た映画は2本。
JALの映画のライブラリがなぜか充実していた。 Back to The Futureぜんぶ見、とかMission Impossibleの1から4までぜんぶとか。 べつに見ないけど。

Me and Earl and the Dying Girl (2015)

ピッツバーグの高校のシニアのぼく - Greg(Thomas Mann)とEarl(RJ Cyler)は幼馴染でクラシック映画のパロディみたいのをずっと、40本くらい作ってきて、ある日近所のRachel (Olivia Cooke)が白血病になったので慰めてあげて、と母親に言われるのでお見舞いにいってみる。 ふたりは恋人になるわけでもない、ただ横に一緒にいるだけの日々と、映画を作るのと、これからの進路とか、いろいろがすっとぼけたトーンで流れていって、Rachelのために映画も作りはじめるのだが、彼女の病気は悪化していって。

主人公は自分でも言っているけどgroundhogみたいなシリアスになれない微妙な顔だちで、家族や学園の子達もまともな子はひとりも出てこないというのに、ここに難病ものをぶつけてくるか、と。Rachelはかわいいけど無愛想で、運命を受け容れていてじたばたしない。この右から左まで救いようのない、波風のない状態で、彼らは高校生活最後の年とかプロムとかを乗りきったり、自分たちの、Rachelのための映画を作ったりしなければいけないの。
でもそれってなんのため?  少なくともRachelに将来なんてないのに。

苦手な難病ものなのだが、まったくきついかんじがしなくてするするいくねえ、と思ったら最後にやっぱりきたので、こまった。 飛行機のなかではぼろぼろ泣けないし。

音楽はなんでか初期も含めたEnoがいっぱい流れてきて、”I’ll Come Running”とか、イントロだけできちゃうひとはぜったい泣くから覚悟しよう。 なんかねえ、映画としてぜんぜんうまいと思わないのだけど、ずるいってば。

主人公達が作っている映画の一覧が最後にでるのだが、ほんとにばからしいの。
“Anatomy of A Burger”とか”Brew Vervet”とか “Death in Tennis”とか“My Dinner with Andre the Giant”とか”La Gelee”とか。 映画好きのひとが見たらもっといろんな発見があるのかもしれない。GregがFilm ForumのTシャツ着てた、とかそれくらい。

In Your Eyes (2014)

とても寒いNew Hampshireの女の子が橇で木に激突して気絶したら、とても暑いNew Mexicoの男の子も同時に、なんもしていないのに気絶して、というのが冒頭で、やがて大きくなった女の子 - Rebecca (Zoe Kazan)は裕福な医者と結婚していて、男の子 - Dylan (Michael Stahl-David) は刑務所勤めを終えて、保護観察付きで洗車場とかで働いている。 どっちも頭の奥でなんか変な声がするので頭の奥に声を掛けてみたらどういうわけか繋がって会話ができることに気づいて、テレパシーは想念だけだけど彼らは視野や感覚も全部共有できて、実は子供の頃からずっとそうだったそういえば、ていうのがわかって、それってなんか嫌じゃないか、と凡人は思うのだが彼らはその無料通話状態に夢中になって、周囲から見ると四六時中独り言を呟いている危ないひとになっちゃって、案の定、彼は職場を解雇されて、彼女は精神病院に送られて監禁されて、さあどうする? なの。

なんでこの二人が、この二人だけが、という謎は一切明かされないし、そこに独特のロマンチックな意味づけ風味づけがされるわけでもない。 ただそういう状態になっちゃったふたりが仲良くなって、ちょっと困ったお互いの境遇になくてはならない存在だということに気づく、なんか出来のわるい中学生向け恋愛小説だよねえ、とか思ったのだが、原作は”Buffy the Vampire Slayer”を書いて、後に”The Avengers”を書いたりするJoss Whedonだったりするのがおもしろいねえ。

まあとにかく、これは日頃うわの空で夢ばっかり見てふわふわしている(思い込みです偏見です)Zoe Kazanさんがいたから成立した映画で、”Ruby Sparks” (2012) - “What If” (2013) - これ、と並べてみるとなんかすごいとしか言いようがない。 ほんとにそういうひとなのかもしれない、とか。


明日(14日)の夕方まで何をして過ごすべきか。
St.Vincentの妹だか姉だかのレストランは軽く1時間かかることがわかって悩みちゅう。

でも、まずはねなきゃ。

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