ふたたびNYの話に戻って、2/1(金)の寒い寒い晩、"Sound City"の後の2本目、ダウンタウンのAngelikaで見ました。 23時の回だったが、結構入っていた。
この日が初日だったWalter Hill(久々)の"Bullet to the Head"にしようかとも思ったのだが、これは公開されそうだったし、もうじき公開、という点ではこれも同じだったのだが、とにかく寒くて、なんかほっこりしたかったんだよう。
予告で盛り上がったのが、Elle Fanningの"Ginger & Rosa"とRoman Coppola - Charlie Sheen - Jason Schwartzmanの"A Glimpse Inside the Mind of Charles Swan III" でしたわ。
見たいなー。
妻の浮気相手をぼこぼこにしてメンタル系の施設に送られてしまった情緒不安定のPat (Bradley Cooper)が実家に戻ってきて、息子の帰還にはらはらする父Robert De Niroその他と、その近所に住む夫が事故死してセックス中毒になっていたTiffany(Jennifer Lawrence)が知り合って、罵りあいながらも近づいていくお話。
Patはなんとしても妻Nikkiに会いたくて、Tiffanyは彼の手紙をNikkiに渡す交換条件に、ダンスコンペティションのためのレッスンを一緒にやることを持ちかけて、練習の日々がはじまる。
それぞれのパートナーを失っておかしくなった人(自分はおかしいと思ってない)とおかしくなった人(自分はおかしいと思ってない)がダンスのパートナーというおかしな形で絡みあいながら、彼らを囲む人たちも場所もまた一筋縄ではいかなくて、そこではSliver Linings(希望の光)なんて事故か冗談か、のようなかんじで、そもそもそんなの誰も希望していないという。
みーんな狂ってて、わーわーやりあいつつアメフトのEaglesが勝ちさえすれば幸せ、というそういう人たちの映画のことを指してアメリカしょうもなー、とは決して言えない、今の日本は。
"The Hangover"をはじめ、ぼこぼこにされるのが定番になりつつあるBradley Cooperと、あらゆる困難と逆境に不機嫌な顔でぶつかっていくのが得意のJennifer Lawrenceの組み合わせが素敵で、そのふたりがダンスをする。 ふたりのダンスは、Patがリハビリでゴミ袋のパーカーを被ってジョギングを始めたところにTiffanyがちょっかいを出しながら並走しようとする、そこから既に始まっていると思うのだが、このダンスシーンの素晴らしいこと。 このためだけに何度でも見たくなる。
ふたりがTiffanyのうちでダンスレッスンをしているところに、出所してきたメンタルヘルス仲間のChris Tuckerが割り込んで、Tiffanyと楽しくダンスするのをみたPatがちょっと妬いて真剣になって、そのレッスンが終わったときのやったぁ(!) ていうTiffanyの顔とか、素敵なんだよねえ。
ダンス・コンペティションの本番、妻Nikkiが来ているのを見つけてそれぞれに動揺が走り、Tiffanyは本番前なのにバーでウォッカ2杯飲んだくれてて、それでもダンスは始まって、ぎこちなさとパッションとやけくそが混じりあったそのダンスは、まさにそういう人と人の感情と身体の接触と衝突と摩擦としてはっきりと現れて、ダンスとしてどう、というよりなんだか濃厚で生々しくて。
(ダンスの振り付けはMandy Mooreさん)
だから、Jennifer Lawrenceさんがこれでいろんな主演女優賞を獲っている(獲るであろう)ことには全く異議なしなの。
そしてこれは、"The Fighter" (2010)がそうだったように、すれっからしのしょうもない、しかし鉄壁鉄面の一族郎党の物語でもあって、ある意味惚れ惚れしてしまう。 Robert De Niroがあんなふうに地団駄踏んでも、SNLのギャグのようにしか見えないとこはあれなんだけど。
あとは音楽ね。これも"The Fighter"と同じく音楽が、ドラムスのキックが人物を前のめりに走らせる。 かっこいいの。(Original musicはDanny Elfmanさん)
しかしあの邦題、わけわかんないよね。「希望」なんてお得意ワードなんだから使えばいいのに。
終わったら軽く午前1時まわってて、笑っちゃうくらい寒かった。
2.10.2013
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