1.24.2012

[music] Jeff Mangum - Jan.20

20日の金曜日の晩に行きました。

去年、彼がキュレーションしたATPのすぐ後に発表されたBAMのHoward Gilman Opera Houseでの3days。
最初は2 daysであとから追加で+1。  金曜日は3日間のまんなか。 

ぜんぶすぐに売り切れたのだったが、ここのチケットは直前にちょこちょこ余り追加が出たりするのでそれを掬った。
ラッキーなことに前から10列目くらいが取れた。

BAMのOpera Houseはほんとに久々で、うれしい。 
世界中のコンサートホールで一番好きなのがここと、マンハッタンのTown Hallなの。

昨年からの米国におけるJeff Mangum熱、というのが日本のひとにはどう伝わっているのかしらんが、こっちではほとんど珍獣扱いで、姿を現した!とかどこそこでNMHの曲演った! とか、いちいち大騒ぎしていて、ふうーん、だったの。
それがなんなのかを確かめておきたい、というのもあった。

前座はNewtral Milk HotelのJulian KosterくんによるThe Music Tapes。
ステージのまんなかに人よりもでっかいメトロノーム(用途不明)、ほかには管とか鍵盤とかおもちゃ楽器がいっぱい、もちろんのこぎりも。
で、3人でどんちゃか大道芸、ちんどんやふうの、ほんわかせつなく、かわいい音を鳴らしていく。

(でも気持ちよすぎて半分意識うしなってた)

15分の休憩のあとで、Jeff Mangum。
前座のときもそうだったのだが、あんた誰?サンタクロース? みたいなでっかいおじさんがでてきて、紹介を兼ねて詩を詠んでひっこむ。 これがなんか、じつにどうもいい詩でさあ…

Jeff Mangumさんは、たったひとりで出てきて、やあ、てかんじでギターをがしゃがしゃ歌いだす。
どうやって出しているのかしらんが、奥行のまったくないがしゃがしゃかんかんした藁を叩いているようなアコギにのって、ものすごくでっかい、朗々とした歌声が響きわたる。 

これかぁー  てかんじ。

00年代中盤以降にいっぱい出てきた自意識過剰、変てこフォーク・SSWの連中を軽く一掃してしまうようなド迫力のヴォーカルと、なんともいえない珍妙な歌詞、そこから立ちあがる珍妙で異様で、多分に20世紀末した世界のありよう。 
すべては90年代末に、この声、あの歌詞、あのイメージと共に用意されたものだったのか、と。
そして、この声が沈黙せざるを得なかった10年間、というのは一体なんだったのか、と。

名盤"In the Aeroplane Over the Sea"からの曲はほどんどやった。
たまにギターを変えたり、The Music Tapesの人たちが参加したりするが、ぜんぜんその世界は揺るがないまま、アンコールまで一気に走って、1時間ちょっと。 ほんとにギター引っ掻いて歌うだけ、でなんであそこまで強靭ななにかが出てきてしまうのかと。

ファンの人たちがなんであんなにわーわー騒ぐのかは、なんとなくわかった。 
すんごく素敵で、あんなシンプルなのに、音楽聴いてるなー感がぐいぐいくるから。

終わって、売店でNMHのアナログの箱買ってしまった。 $90...

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