1.11.2012

[film] The Wages of Fear (1953)

ああぜんぜん書いている時間がないよう。
連休はほぼずっとごろごろ。ぜんぜんだめ。

4日は仕事はじめで、午後2時くらいでみんななんとなくいなくなってしまったので、美術館でもいくかー、と行ってみる。

上野のゴヤとこっちと、どっちかなあと思ったが、上野のマヤは着衣のマヤしかいないということなので、正月から着衣はねえだろ(なんだそれ)ということでこっちにする。 竹橋なら歩いていけるし。

『ぬぐ絵画―日本のヌード 1880-1945』
明治以降の西洋絵画の受容、そのなかでもはだか(ひらがな)の表現をめぐって試行錯誤した作家達の作品が並べてある。 
そりゃ大変だったんだろうねえ、と思うけど、ついこないだまで、洋画のヌードだって当たり前のようにボカシがかけられていたわけだから、べつにぜんぜん驚かない。100年戦争なんである。
昔のことに感心してるなら今のに驚け、たいして変わってないんだよ、とか。

黒田清輝「智・感・情」もほのぼのと変でよかったが、エロの度合いとしては「野辺」のほうがいかったかも。

展示の仕方とか、特設サイトとか、チラシとか、がんばって手作り感たっぷりで微笑ましいのだが、べつにただのはだかじゃねえか、なかんじがどうしてもしてしまうのはしょうがないか。
そんなこと思うのは性根が腐っているからよね。

それから常設展と、常設コーナーの関連展示を見て、もういっこの目当ての"Valerio Olgiati and His Architecture"を見る。

ふつうの建築家の展示とはちょっと違っていて、構想の元にあったと思われる古今東西の建築のパーツ(記憶)と図面や模型が並べて置いてある。
部分と全体、記憶と歴史、そして展覧会の会場配置と建築家の視座、これらを全て統合される場所にあるでっかい「建築」のありよう。 
建築家によっては、こういう建築=世界みたいなありようがうっとおしかったりもするのだが、このひとのは、ひたすらシンプルでかっこいいのだった。

ペルミ21世紀美術館なんてさあ、なんかすごいよね。

それからシネマヴェーラに向かって1本だけ。
仕事はじめの1本はこれじゃろう、という『恐怖の報酬』を見る。
12月の中旬、海のむこうのFilm Forumでは35mmのニュープリント版が上映されていたのだが、でも、16mmでも、見られるだけでもぜんぜんいいの。
(これはDVDスルーでも見られればいい、ていうのとは根本的にちがうんだからね)

何回みても同じとこでどきどきしてはらはらして、最後まできりきりぐるぐるして、そいで結局はぜんぶおじゃんで、仕事なんて最悪だすべての仕事は恐怖の報酬と共にあるんだわやってらんないわ、とおもった。 
だれがわるいんだだれがー、とか。 "Occupy… "の時代にこそ見られるべき傑作なの。

橋のとこ、岩をふっとばすとこ、前のトラックが煙に変わってしまうとこ、どこを切ってもほんとにかっこいいのよ。 そしてあの、ぼろぼろの、臭ってきそうな4人。

じりじり亀のように進んでいくトラックのリズムと速度、それが最後の歓喜のスイングに変わった途端にすべてがおじゃんになってしまう、この冷たくてざっくりしたかんじが。
全体としてメキシコのあっつい映画、のはずなのだが、とても寒くて冷たいの。

もっと寒くならないかなあ。

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