木曜日の晩、ひょい、て時間が空いたのでTimes Squareで見ました。
前回の帰国前日に公開されたやつがまだやってた。
"Thumbsucker" (2005)のMike Millsの新作。
"Thumbsucker"が指しゃぶりを止められない大人になりきれない、ひとりぼっちの青年のお話しだったのと同じように、今度もどこかしら壊れかけたひとりの中年(38歳、という設定)の姿を描いている。
その中年がEwan McGregor で、彼の父親は末期癌でそんなに長くなくて、でも年とってからゲイになって、若い恋人がいる。 で、だからといってぐれたり反抗したりするわけにもいかなくて、父の看病をしながら父のこれまで生きてきた世界に関わりつつ、絵を描いたりぼーっとしたり、の日々。
死にかけているのに泰然として人生を楽しもうとする父親役がChristopher Plummer で、これは文句なしにすばらしい。
あと、恋人役で”Inglourious Basterds"(2009) のMelanie Laurentさん。彼女もすてき。
あと、犬も字幕経由でしゃべる。 この辺がにくいの。
基本はこの3人+わんわんのアンサンブルで、どこかで救いや奇跡が現れたり、涙と感動になだれこむわけでもなく、ひとり絵を描いて生きている青年が父の看病を通して父の人生を見つめて、自分のこれまでの生を見つめなおして、新しいいろんな関係の糸に目覚める、そんな程度の。
Mile Millsなので画面構成とか、色のかんじとか、気がつくとどこかで鳴っているピアノとか、生き物のように生まれて流れて絵を描きはじめるいろんな線とか、画家のひとの映画だなあ、ておもった。
悲しみ、はあんましなくて、しょんぼり、でもなく、ほんのりしんみりするかんじがなかなかよかった。
7.29.2011
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。