11.24.2021

[film] The Ice Road (2021)

11月14日、日曜日の午後、”Sweet Thing”の後にバルト9で見ました。

Netflixでも見れるやつなのだが、たまにこういう駄菓子とかジャンクフードみたいなのを食べたくなるの。いつもまともなものを食べているわけでは決してないのだが。

元は”Ice Road Truckers”っていうHistory Channelで00年代に放映していたリアリティTVのシリーズがあって、その舞台設定を手に汗握るフィクション/アクションに転用したもの。『恐怖の報酬』とはあんま関係ない。

時は4月、カナダのマニトバ州北部にあるダイヤモンド鉱山内で爆発が起こって、坑夫たち約20人が内部に閉じ込められて、彼らの閉じ込められたところに穴を開ける装置が必要になる。それがないと全員窒息して死んでしまうのだが、装置はでっかくて重すぎて空路では運べないし幹線道路だと時間が掛かりすぎる (そんなの現場に置いておくもんじゃないの?)。

坑内の空気がなくなるまでに残り30時間、選択肢としてはトラックにその装置を積んで、政府が管理するIce Roadっていう湖の氷の上の道路を走らせるしかなくて、政府から緊急の要請をうけたJim (Laurence Fishburne)は自分のを含めたトラックを3台 – 事故にあうことを想定した予備を含むので3台 – 調達しようとする。

それを受けたのが、トラック運送の生活が苦しくてうんざりしはじめたMike (Liam Neeson)と、その弟でイラクからの帰還兵でPTSDを患っている – でもメカニックとしての腕は確かなGurty (Marcus Thomas)の報酬目当てのふたり組、女性一匹のTantoo (Amber Midthunder)とその隣に保険会社の調査員 - 保険求償がでた場合に備えて – Tom (Benjamin Walker)が乗り込む。氷の上に重い荷物を積んだ重いトラック3台、4月であることを考えると、スピードを出しすぎれば氷を割っちゃうし遅すぎると沈んじゃうしの危険たっぷりで、前方を走る車の圧力波と後方に伸びてくる亀裂にも注意する必要があって、振動があるレベルになるとやばい、を知らせるためにドライバーの前には首振り人形 – あれってアクセサリーじゃなかったんだ - が置かれる。

といういろんなルールでがちがちのはらはらちきちき耐久レースみたいなもんかしら、と思っていると、走行中に突然エンストしたJimと彼の車が修理しているうちにずるずるあっという間に湖底に沈んでしまう。ホラーみたいでなんかやばいかも.. と思っていると爆発の原因と検知を巡って鉱山側でもなんか怪しい顔の動きが出てきて、残った2台のトラックも氷の上で横転しちゃったり、なんかおかしい! がいっぱい出てきて、やがて鉱山を持っている企業の陰謀とかその背後に原住民差別があったりとか、実は原住民のTantooの兄が坑内に閉じ込められていたり、あれこれいっぱい溢れてきて、でもとにかく時間が! になってくる。

Liam Neesonについては、あの一件以来そんなに見たい人ではなくなってしまったのだが、今回のは正義感ぶいぶいとか畳みかけるアクションでなぎ倒していくような見せ場はちっともなくて、氷の上で彼の不機嫌なアイリッシュ魂が炸裂するばかり、寒くて重装備なのでアクションも鈍重で、そのまま氷の下に沈んでも雪崩の波にのまれてもしょうがないか、くらいのノリ - でも弟を気遣う様子とか悪くなかったかも。

でも他方で、一刻を争う事態であるはずなのになんか全体のテンポが緩くてとろくて、いまそんなことしている場合じゃないだろう! とか、なに雪崩起こしてるんだ? とか突っ込みたくなるところもいっぱいだった。いろんな危機的ななにかを押し込み詰め込みすぎて全体がだらける - という構成上の問題のような。本来であれば”Fast & Furious”のあのチームが口笛吹きながらやっつけるような話だった(けど氷上のはこないだやっちゃったから-)。

それにしても善玉も悪玉もみんな車ごと氷の下に落ちてしまうので寒そうで嫌だなあ、とか、氷の上でトラックが横転したらぜったいもう終わりだと思うけど、立て直すことできるんだーあんなに重そうなのに寒いのに、諦めないのすごい(ぜったい嫌になってやめる)ねえ、とか、感心したりするところもいろいろ。会社の悪い奴らも氷の下に落としてやるべきだった。

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