5月27日、水曜日の晩、Criterion ChannelのFrances Marion特集で見ました。とっても有名なクラシックだよね。Frances Marionと主演のWallace Beeryはこれでオスカーを獲っている。
子供の頃、Franco Zeffirelliによる同名のリメイク(Champ役はJon Voight)があって、読み始めていたScreen誌とかであらすじを読んで、なんて悲しいお話しなんだろうこんなの絶対見ない、って思ったことだけは覚えている。殴り合いも父子ものもお涙ちょうだいもどれも苦手だし。
でも殴り合い(ボクシングね)は最後の方に少しあるだけで、かんじとしては”Kramer vs. Kramer” (1979)みたいだと思った。どっちにしても泣かされるのだけど。
かつてボクシングのチャンピオンだったChamp (Wallace Beery)は息子のDink (Jackie Cooper)とふたりで酒場の上の小屋みたいにぼろいところに暮らしてて、すっかり落ちぶれて酒と博打に浸かってぐでぐででしょうもない(でもこの辺りの描写はほんとうに楽しくてよいの。ずっと見ていたい)。
博打で勝って馬 – Little Champと名付ける - を手に入れてこいつの出走する競馬場に行ったらChampと別れて今はお金持ちのマダムになっているDinkのママLinda (Irene Rich)と会って、LindaはDinkの置かれている環境にショックを受けて彼を自分の元で育てられないか画策を始めるのだが、Dinkはやだ、って言って、でもChampは転げ落ちてばかりなのでもう連れて行ってくれ、ってLindaに頼んで、そうこうしているうちにChampの再起をかけた対戦が決まって…
もう設定も筋書きもぜんぶとうにどこかで見たようなやつだし、結末だって見え見えなのだがどんなにぼろぼろでもいつも笑って楽しそうなChampとDinkのふたりの掛け合いがほんとに素敵で、それを見てるだけで泣かしてくれるので最後なんてもうさー。
いまリメイクするとしたらChampは誰だろう? John C. Reillyかなあ。冒険かもだけど、”Marriage Story” (2019) のあの父子とか – 泣かせることしか考えてないようなこてこてのやつ。
Cynara (1932)
5月31日、日曜日の昼間、同じCriterion ChannelのFrances Marion特集で。監督は↑と同じKing Vidor。Pre-code時代のロマンス。
ナポリにJim (Ronald Colman)とClemency (Kay Francis)の夫婦がいて、Jimはこれから仕事で南アフリカに行こうとしてて、これで君とはもうお別れだ、って決意は堅そうで、なんでこうなったかというと… ってJimが過去を語り始める。
ロンドンで弁護士をしているJimはずっとハードに真面目に働きづめで、Clemencyが妹とベニスで一ヶ月くらい遊んでくるので独りで羽でも伸ばしてみれば、ってからかわれても相手にしなくて、でも友達と食事に出た時に隣のテーブルにいた女子ふたりを友達がナンパして、そのうちのひとりDoris (Phyllis Barry)と仲良くなって、DorisはJimのことをとっても好きになって、彼は既婚者だからと言っても構わないって情熱的に寄ってきて、そのうちClemencyが帰ってきて、もう会えないって知ったDorisは..
単なる悲劇で終わるわけでも円満のエンディングでもない、やや複雑な味わいをもったドラマで成瀬を見た後に残るかんじに近いものがあったかも。
そういえば、“In Name Only” (1939)でのKay FrancisはCary Grantの奥さんで、彼がCarole Lombardを好きになっても断固として別れない邪悪な妻を演じていて、あれも妙に残るやつだったねえ。
タイトルは、Ernest Dowsonの詩 (1894) から、その最初のフレーズが”I have forgot much, Cynara! gone with the wind,”で、ここの”gone with the wind”からMargaret Mitchellはあれを。で、終わりではこういう。”I have been faithful to thee, Cynara! in my fashion”.
仕事しながら音を消したBBCをずっと見てて、ああやっぱり抗議のデモに行けばよかった、と反省した。 明らかな不正に対して立ち上がるのって選挙と同じで市民の務めだよね、こんなの仕事以前にやらなきゃいけないことだった。 週末のには行こう。でもまだ水曜日が終わったところ...
6.03.2020
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