6.20.2020

[film] The Big House (1930)

11日、木曜日の晩、Criterion ChannelのFrances Marion特集で見ました。 MGMで、Frances Marionで、こんな男臭い監獄アクションを彼女が書いたのかと思ったのだが、実際は1929年に起こった刑務所の暴動事件を元に監督のGeorge Hillが原案を書いたのをFrances Marionに渡した、ということらしい。で、この作品でMarionはオスカーのBest Writing Achievementを受賞している。

飲酒運転で人を殺してしまったKent (Robert Montgomery)が、刑務所に送られてきて、Butch (Wallace Beery)とMorgan (Chester Morris)ていう強烈なふたり - 親分肌のButchとなにかと優しくしてくれるMorgan - と同じ房になって、食堂でこっそり盗んだナイフのやりとりで独房に出入りしている隙をぬってMorganは脱獄する。 彼はKentの妹Anne (Leila Hyams)の勤める書店に行って助けて貰ったりして、AnneはMorganを脱獄囚と知りながら好きになるのだが、彼はやっぱり見つかって監獄に送り返されてしまう。

Morganが刑務所に戻るとButchはサンクスギビングで警備が手薄になるとこを狙って一斉蜂起の暴動〜脱獄を計画していて、看守側も囚人たちがなにか企んでいるらしいことを感づいているのだが、はっきりとはわからない。 Kentは自分の自由と引き換えに看守側に計画をばらすのだが、それでも暴動は勃発して..

暴動シーンの敵も味方もくそもないやけくそ一揆の勢いがなかなかすごくて - オスカーの音響でオスカーを獲っている - でもめちゃくちゃかというと囚人側もそれなりに計画していて悪賢くて、苦戦した看守側が戦車まで投入してきやがるの。 結末は書きませんけど、MorganとAnneの恋のエピソードも忘れられていない。

監獄映画の起源がどの辺にあるのかわからないけど、囚人のキャラクターがきちんと描き分けられているという点は見事で、特にWallace Beeryのちっとも悪漢に見えない濃さとしぶとさは”The Champ”(1931)の遥か上空を行っている気がする。


Riffraff (1936)

16日、火曜日の晩、Criterion Channelで、これもFrances Marion特集からの1本。
邦題は『港に異常なし』..  いや展開はそうとう異常なかんじなのだが..

港の傍の掘っ建て小屋に暮らす家族 - 大パパがいて、Lilおばさんがいて、ガキがいっぱいいて、Hattie (Jean Harlow)もそこに暮らすイキのいい姐さんで、港いちのマグロ釣り漁師のDutch (Spencer Tracy)はそこのツナ缶工場の経営側との間の組合運動を率いてて、彼も元気いっぱいで、そんなふたりが結婚してぶいぶい舞いあがるのだが、Dutchのことを憎くてたまらない経営側の策謀とかでふたりの生活は破綻、Dutchは家出して浮浪者で公園暮らし、Hattieは刑務所に行ってそこで出産とか、もうこれは無理だろう、ってふつうは思うのだろうが、脱獄とかなかなかとんでもないことが起こって意地でも解決しちゃうんだから、って勢いだけはすごい。

おれは男だ最高なんだとにかくなんでも解決するんだ、のSpencer Tracyがとにかく濃くて強くてうんざりなのだが、Jean Harlowが一歩も退かずにやり返してて、いちおうしぶとく負けない夫婦のドラマとして成立している気はするのだがここまでくると好きにやってれば..  にちょっとなる。 てめーがしっかりしてねえから刑務所入れらたんだから、脱獄してそいつ見かけたら真っ先にぶん殴らないか? とか。


土曜日の朝なので近所のファーマーズマーケットに行ったら、ついにようやくKent産チェリーの屋台がでていた。よかったよかった。
これで元気になったので午後、公園をつっきって、Rough Trade(の西の方)に行ってみた。すごい混んでいるかと思ったらぜんぜんで、ほんとに欲しいひとはオンラインですぐに買っちゃうんだろうな、って。
ノッテイングヒル界隈のマーケットもほぼ復活したかんじで、でも一番賑わっているのはパブの周りだった。外でみんなわいわい立ち飲みしていて幸せそうで。 そんなに外で飲みたかったのか、って..

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