4.05.2020

[film] Unrelated (2007)

30日、月曜日の晩、BFI Player - BFIがやっている配信サービスで見ました。ここ、RentalからSubscriptionまで、昔のから新しいのまでいっぱいある。 “Tilda Swinton Selects” - なかなかしぶい - とかもある。

Joanna Hoggさんの監督・脚本長編デビュー作。
40代近くの英国人Anna (Kathryn Worth)は学校の頃の友達Verena (Mary Roscoe)に招かれて彼女がタスカニーに借りたヴィラでヴァカンスを過ごすことにしたものの、合流する手前で彼女は一人車を降りて歩いてやってくる。 彼のAlexと車の中で喧嘩しちゃったらしい(この部分は出てこない)。

Verenaは子供達や夫やいとこやその子供とかも大勢連れてきていて、子供達はみんなティーンなので結構やかましく昼も夜も元気いっぱいどんちゃんスバスバ騒いでいて、大人たちは大人たちで酒飲みながらの大人の会話になり、そうするとどうしてもAlexとのことについて話さなきゃいけなくて、それはそれで嫌で面倒なので、Annaはなんとなくティーン集団の方の遊びに寄っていく - へんなおばさん、て思われてるだろうな、とか思いつつ。

タスカニーのヴァカンスなので陽光たっぷりで川で泳いでもプールで泳いでも夜になってお酒飲んでも町に出かけて散策しても楽しそうなのばっかりで、Annaもだんだん浮かれてきてみんなで羽目外しすぎて借りた車を壊しちゃったりしつつ、だんだんVerenaのいとこの息子 - Oakley (Tom Hiddleston)に惹かれていくの。 その反対側でAlexとは頻繁に電話で会話しているのになかなか噛み合わない。

中年に差しかかった女性の夏休み、というとÉric Rohmerあたりを思い浮かべて、確かに同様のきらきらした瑞々しさはあるのだが、Rohmerのほど隅々きちんと作られたかんじはなくて、どちらかというとJacques Rozierのどっちに行っちゃうのかわからない奔放さ - 楽しいほうに転ぶも残酷なほうに転ぶも自由 - があって、それがタイトルの”Unrelated” - どこにも紐づいていない自由と孤独感とあーあどうしよ、をくっきりと浮かびあがらせる。

どこともRelateできずに浮きまくるAnnaを見ていると、友人とはいえ他人の家族が集合するヴァカンスにひとりで参加ってなんかすごくしんどくないかしら、って胃が痛くなって(← 自分だったらぜったいムリ)、でもAnnaはOakleyのことを好きになって思いきって誘ってみたりするの。

夏の終わりと共にヴァカンスも終わる、っていうお決まりのラストで、みんなそれぞれの場所に散っていくのだがAnnaはひとりで帰路について、そこで何かが始まったり終わったりするわけではない、そこも含めて”Unrelated”で貫かれているようで、なんかいいの。 来年のヴァカンスはもっと素敵になるよ、って。

まだあどけなさが残るTom Hiddlestonの上半身裸もいっぱい見れるから今からでも日本公開すればいいのにな、とか。


今日は初夏の陽気で、公園は結構な人出だったので政府は外に出ちゃダメって言っているだろ、って規制を強化するかもしれない。 そして今週は金曜日からイースターの4連休のはずなのだが、だれもどこにも行けない/行かない、そんな場合じゃない。 そのうち、少しでも夏のことを考える余裕が出てきますようにー。

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