3月31日の晩、BFI Playerで見ました。シアターではすぐ終わっちゃって見れなかったやつ。
南北戦争前に実在した奴隷解放運動家Harriet Tubman (1822-1893)の武勇伝。すごいったら。
1840年代のメリーランドでBrodess家の奴隷のMinty (Cynthia Erivo)は結婚して45歳になったので解放奴隷(freedman)として認めてほしい、とそれを法的に認める文書付きでお願いしたのに家長のじじいはだめだ、とそれをびりびり破いて握り潰してお前は一生奴隷のままじゃ、って彼女を他の家に売ろうとするので夫も振り切ってひとり逃走する。するとBrodess家の長男のGideon (Joe Alwyn) – ストーカーっぽい – が追ってきて、わかった他の家には売らないから留まれ、といっても彼女は橋から飛び降りて、Underground Railroad - 列車ではなくて、当時の奴隷たちが使っていた秘密の逃走ルート - を伝って、まだ自由があったPhiladelphiaに逃れ、そこで活動家のWilliam Still (Leslie Odom Jr.)とMarie Buchanon (Janelle Monáe)と出会う。
乞食のようにぼろぼろのナリで逃げこんだMintyは彼らのGentleで落ち着いた物腰と眼差しに驚きつつ、いろいろ教えて貰って髪を結ってもらって名前もMintyからHarrietとなり、でも自分にはまだやることがある、ここは元いた場所とは違いすぎるし、って地元に戻ってUnderground Railroad経由で新たに仲間や家族を連れてきた(犠牲者ゼロ)ので今度は彼らの方がびっくりして、でもHarrietは そこから更に危険を顧みず数回の渡りをしてその度に大勢の仲間を連れて戻ってくる。
これに対して自分たちの財産である奴隷たちをごっそり連れていかれてしまう地主側はたまったもんではないと、夜逃げ無効の法律(Fugitive Slave Act)を通したり、それがMintyのこととは知らずに”Moses”と呼んで懸賞金をかけて、包囲網を敷いてPhiladelphiaにも乗りこんでくる。
Harriet本人のことも含めて史実をよく知らない状態で見たので、後半、何度でも地元に舞い戻って強引に奴隷たちを連れ出そうとする彼女を見て親のようにはらはらし通しで、もうやめなよStay Homeでもいいじゃん、とか思うのだが、とにかく不屈で頑固ったらないの。 一応彼女には予知夢(?)を見るような不思議な能力があることも暗示されるのだが、それにしても仏頂面の後ろに隠れて燃えあがる意思と闘志、怒りにはやられっぱなしで、最後のGideonとの対決になだれこむところは盛りあがるったらない。
西部劇なんて大抵そんなものかもだけど、差別とかマイノリティといったテーマでちゃんとした議論の俎上にあがる前、Suffragetteのはるか手前にはこんなにも熾烈な殺るか殺られるかの仁義なき戦いがあったのだ、って。 そしてそこのフロントには彼女のような女性もいた、ってなんてかっこいいことだろう。更にこの後の南北戦争でも活躍したって。 個人的には”Black Panther”よりも手に汗を握ってしまうやつだった。
Cynthia Erivoの熱演、脇を固めるJanelle Monáeらも、これを7年かけて作り上げた女性たちスタッフも見事としか言いようがない。 日本でも絶対公開されてほしい。
Harriet Tubmanさんの肖像が描かれた新しい$20札は今年リリースされるはずだったのに、延びてしまったのね。
先ほど、急に入ってきたBoris Johnsonの件は驚いている。今朝は念のために入院した、くらいのニュアンスだったから。
いまいなくなってはいけない。なんとか持ちこたえてほしい。
彼の政策には合意できないところだらけだったが、コロナの件に関して、彼の対応は見事だった - これは誰も否定しないだろう。 彼はカメラの向こうから我々をしっかり見つめ、なぜ今これが必要なのか、なぜ自分がこういう指示を出すのかをわかりやすく語り、その熱と強さから国民を守る、救うのに必死であることが十分に伝わってくるのだった。(ああ、これに比べたらどっかの国のバカは ..)
はやく元気になって、君のやりたかったBrexit - いまやほんとにどうでもいいけどな - を思う存分やってほしいよ。
4.06.2020
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