3月29日、日曜の晩、Cursor Home Cinemaで見ました。映画館が閉鎖されたときにまだ上映されていたやつで、今はオンデマンドでもやっているみたい。
アフガニスタンに派兵された英国軍兵士の妻たちの実話 - “The Choir: Military Wives”ていう2011年に制作されたBBCのドキュメンタリー - がベースで、監督が”The Full Monty” (1997)のひとで、あの予告を見たら、わかりやすいこてこての英国人情喜劇であることは明白だし、泣かされることもわかっているのに、でも見る。こういうのが必要なときってある。
英国の地方にある軍の基地にアフガンへの派兵の指令が来て、それはそこで暮らしている家族全部に影響して、軍の大佐 - Richard (Greg Wise)の妻で息子を戦地で失っているKate (Kristin Scott Thomas)はまたか、ってなって、Coffee morningっていう同様の立場でしょんぼりしている妻たちのための朝会のまとめ役を頼まれたLisa (Sharon Horgan) はテンション高めでKateのとこに相談に来て、ただ集まってお茶するだけじゃつまんないからなんかやった方がいいと思う、ってまず妻たちみんなの意見を聞いてみる。編み物、とかも出たのだがやってみると結果は悲惨で、じゃあ歌 - singingは? って。
なにを歌うか、どんなふうに練習してみんなを纏めていくかのやり方とか方針みたいなとこでKateとLisaは意地を張り合ってことごとくぶつかってどっちもどっちなのだが、それ以上にコーラス隊の方もすごく上手いひとからとんでもない音痴までいろいろで、でも馴染みの歌 - “Don’t You Want Me”とか”Time After Time”とか - だとみんな歌うし揃うし、揃っていくし、でもこれはカラオケ大会とは違うのよ、だし、隣の部屋で聴いていた軍のおじさんも耳栓状態からそれを外して楽しむようになっていく。というばらばらのピースが寄り集まって形ができあがっていく前半。
やがてまだ若い妻のところに夫の戦死の報が入りKateの夫も負傷して戻ってきて、他方でコーラス隊にはRoyal Albert HallでのFestival of Remembranceていう年に一度の大舞台 - 追悼イベント - への出演依頼がきて、でもこんな状態なので全員がかりかり不安定になり、ロンドンに向かう直前、自分達で作った曲の仕上げのところでKateとLisaは大喧嘩してKateはもう抜ける、って。
結果は書くまでもないのだけど、「すばらしい音楽はパーフェクトだからそうなるんじゃない、あたしたちがケアするからそうなるんだ」っていうあたりはじーんとしみる。今は特に。 イギリス人てふだんほんとにインギンブレーのくせにこういう事態になってスイッチが入るとなんで。
映画としては、グチとか感情を誰の前にも出すことができずに深夜のTV通販にはまっていくKateと、ティーンの一人娘の扱いに疲れていくLisaの描きかたがちゃんとしている - そして二人ともうまい - ので余程ひねくれていない限りよかったねえ、にしかならない。
早く他国への派兵によって軍人さんが亡くなるようなことがなくなればいいのに、とか、更には戦争を想定したような軍隊も兵器も必要とされなくなればいいのに、っていつも思うことは思うのだが、道は遠いのだろうなー。 って諦めてはいけない。
そのうちミュージカルになるのかな、でもミュージカル見に行くくらいなら自分達でやろう、になるかな。
久々に暖かい春の日がやってきたのだが、花粉が来ている。 日本のとは違うし、NYのとも違うけど、これはやっぱり花粉、おうちにいたってやってくる。 土曜日の昼間は、どこのスーパーの列も長い。 死者の数も更新を続けているので来週はしんどくなることを見越して、か。
4.04.2020
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