3.18.2020

[film] Misbehaviour (2020)

Tildaさんネタはまだ続くのだが、他のも少し書いていこう。

14日、土曜日の昼間、CurzonのMayfairで見ました。公開直後なのに5人くらいしか入っていない。おもしろいのになー。

1970年、ロンドンでのミス・ワールドコンペティションの本番の会場で起こった感動のくそったれ実話の映画化。

はじめは子連れのSally (Keira Knightley)がUniversity of Londonの歴史のクラスに編入するために面接を受けてそのやらしい男共目線にうんざりして、街角で落書き抗議をしているJo (Jessie Buckley)たちと出会うとこから。

ミス・ワールドは51年から英国でEric Morley (Rhys Ifans)が始めたやつで、水着の着用とかはその頃からあって、最終選考をホストのBob Hope(Greg Kinnear)はその優勝者をベトナムの前線の慰問に連れていったり西海岸で囲ったりそれなりの栄誉が与えられるのだが、SallyもJoもそんなのくそくらえ、って思っている。

ミス・ワールドも社会のいろんな圧を受けて初めてアフリカ系から参加者を加えることになり、こうしてコンペティションに参加することになったグラナダのJennifer Hosten (Gugu Mbatha-Raw)とか、アフリカ・サウス – アパルトヘイトが非難を浴びていた南アフリカはサウス・アフリカから白人候補を、アフリカ・サウスからアフリカ系候補を送ったり –の候補とか、そんなのなんだかとってもあほらし、って思っているミス・スウェーデンとか内側にもいろいろある。

お話はロンドンのフラットの一室でWomen's Liberation Movementを組織してこんなコンペティションをぶっ潰したろうぜって企むSallyやJoたちの活動と、本番に向けてリハーサルや準備に楽しそうな上流貴族の主催者側と、はしゃぎつつもこんなことまでやらされるんだ、ってやや戸惑っている候補者たちを巡りながら、コンペティション当日を迎える。

ネタもくそもない史実なのでいうと、会場内に潜入したSallyやJoたちの抗議活動は成功してセレモニーは一時騒然、中断になって、でも結局コンペティションはー。

基本は男が勝手に考えて妄想するあれこれの結晶としてのコンペティションに女性たちがおええぇって怒りつつそれが当日に首尾よく爆発するSallyとJoのしてやったりーのお話なので、爽快だし群像コメディとしてもおもしろいし。とにかく壇上のBob Hopeにひとり突進して水鉄砲を構えるKeira Knightleyのかっこよさに痺れるの。

それにしても見ているとコンペティションて本当にアホらしくてうええ、ばっかりなのだが、でもまだ70年くらい世界中で続いているままなんだよねこれ。 これだけ続いているんだから.. は正当化の理由になんてならないんだけどね。

おとつい月曜日の晩にBBC Twoで”Miss World 1970: Beauty Queens and Bedlam”っていうドキュメンタリー番組をやっていて、当時の実際の映像を流しながらSallyやJoたち本人が証言をしていておもしろかった。会場はRoyal Albert Hallだったのね。(映画ではPiccadillyのあたりになっていた)
日本でも公開されるなら(ぜったいされなきゃだめこれ)、このドキュメンタリーもおまけで流してほしいな。

Keira Knightleyさんはこないだの”Official Secrets” (2019)でも、正義のために愛する家族をふっきって牢屋に入っていく役だったのだが、ここのところすばらしいねえ。

あと、Women's Liberation Movementの面々も英国のマイナー映画にちょこちょこ出ている印象的な人たちばかりでとても好感がもてた。Jo役のJessie Buckleyさんは”Judy”のロンドンでのマネージャーだった彼女ね。あと、Bob Hopeの奥さん役で出てくるLesley Manville – なんとなくミヤコ蝶々っぽいの。

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