30日、火曜日の晩、Picturehouse Centralで見ました。邦題は『電流戦争』 - しかないよね。
監督は”Me and Earl and the Dying Girl” (2015)の人で、Executive ProducerはMartin Scorsese。
2017年の作品のリリースがここまで遅れたのはWeinsteinのあの騒動があったから、だって。
19世紀末のアメリカで、Thomas Edison (Benedict Cumberbatch)が電球を発明して、これの全米展開と将来の覇権をめぐって発明家で実業家のGeorge Westinghouse (Michael Shannon)とか投資家のJ. P. Morganとか、Edisonの家族、Edisonの秘書Samuel Insull (Tom Holland)とか、より安全で効率のよい方式を見つけてEdisonにぶつかるNikola Tesla (Nicholas Hoult)とか、歴史上の有名な人たちがいっぱい入り乱れる史実を元にした大河ドラマで、演じている人たちもAvengers系ぽい人たちなのですごく濃く面白くなるはずなのだが、そーんなでもなかったかも。
発明家同士が複数ある方式のコストとか安全性とか特許とかを巡って議論したり実証したり威張ったりしていく中、どっち側にどういう陣営や投資家がつくのか、でヒトやカネがわらわら群がって転がって勝ったり負けたりする、今もいろんな分野や市場で大規模小規模行われている「競争」のいちばん最初の頃の姿がこんなやつで、たぶん市場競争の原理とか、勝った方はなんで勝ったのか、とかを掘ったり分析するのに興味があるひとには面白いのかもしれないけど、そんなの好きなひとが好きにやれば、のひと(← 会社員にはむかないね)には別に、って。
なので早くに亡くなってしまったEdisonの妻の話 - 自分の発明した蓄音機に録音していた妻の声を聞いて泣くとこ、最近のドラマで留守電に残っていたメッセージを聞いて泣いたりするのと一緒だ - とか、Westinghouseの方式の危険性を証明するために馬で公開実験をしたら、それを見たやつがヒトの処刑用に電気椅子を思いつく、とか、そういう方がおもしろかったかも。
あるいは、月並みだけど、今は歴史上の、会社として名前が残っているような偉人たちも本当は裏に相当いろんな闇とかモンスターを抱えてこんなふうだったのに、ていう方がおもしろいのに - Nikola Teslaなんて言うまでもなく。 それがひとたび「戦争」って括られると薄まってしまうのはどんなドラマでもそんなもん、だろうか。真上からの俯瞰で沢山の人がざっざっ..って行進していくのを見るだけで、あーあ.. になってしまう。
あと、最近の産業界でのこういう覇権争いみたいなのはメガ企業がどこにどれだけお金を落としてどれだけ抱えこむか、みたいなのを焼け野原で陣地取り(or 奴隷狩り)しているような、とっても下衆な世界になってきているねえ。おもしろくもなんともないかんじ。
おもしろけりゃいいのか? うん、こういうのっておもしろけりゃいいんだと思う。今更Edisonえらい!でもないだろうし。
あと、これは事実だろうからしょうがないけど、ほんとに底の底までメンズ・ワールドだよねえ。女性が中心のこういうドラマの方がぜったい起伏が激しくてかっこいいものになるのに。(そして邦題は変わらずくそださいままで)
それにしてもBenedict CumberbatchさんはThomas EdisonやってSherlock HolmesやってAlan TuringやってDoctor Strangeやって、舞台ではFrankensteinもやって、あれこれ最強だねえ。
22世紀になって映画、”The Semiconductor Wars”が作られたとき、ここに出てくる日本はある時点でバカな政治家の思惑によって突如消滅 or ガラパゴス、になっちゃうんだよ。あーあ。
8.07.2019
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。