4.23.2019

[log] Tokyoそのた (1)

4月の第二週に東京にいたときに見た主な展覧会とかのメモ。  ほんとにただの備忘。

ル・コルビュジエ 絵画から建築へ―ピュリスムの時代 @国立西洋美術館

世界文化遺産に登録された同美術館の開館60周年を記念した展示。
Le Corbusierが画家のAmédée Ozenfantらと共に雑誌 - L’esprit Nouveau (1920-1925)でのペンネームとしてCorbusierを名乗る前、Charles-Édouard Jeanneret-Grisとして活動していた頃の絵画作品等も展示。キュビスムもピュリスムもあの時代の理念の流れとしてはわかるしLe Corbusierの建築もかっこいいし大好きなのだが、金しか興味のないゼネコンが支配してゴミの集積みたいになっている今のトーキョーの建築事情を見るとあーあ、しか出てこないので、そんな場所でピュリスムとか言ってどうすんだよ、いちばん遠いじゃないか、って。Fernand Légerのでほっこりして出た。

かっこいい(溜息)、でいうと、昨年の11月にRoyal Academy of Artsで見た”Renzo Piano: The Art of Making Buildings”は圧倒的にすごかったの。

国宝 東寺―空海と仏像曼荼羅 @東京国立博物館

仏教美術は背景の教義も含めてほぼまったくわかんないのだが、仏像とか曼荼羅を見ておー、って感嘆するくらいの志向とか意識はあるので行った。平日だし混んでいないかな、と(そんなに混んでなかった)。こういうお寺系の展示に行くと、そのお寺に行って拝んで(or これらを魂を込めて制作して)御利益を、ていう本来の意義から切り離されたこのモノたちを美学的見地から見ることの意味って、というあたりをいつもぐるぐるしてしまうのだが、曼荼羅ってそういうのにも効く。 あといろんな仏像がいっぱいある間の仏様の配置とか、唯一写真を撮ってよろしいなんとか天にも意味はあるのよね、きっと。

両陛下と文化交流―日本美を伝える―   @東京国立博物館

宮内庁が所管する皇室ゆかりの作品いろいろ。工芸品とかかわいいのが多い。最近は「政治利用」されてかわいそう、とか言われるのはわかるけど、そもそもにっぽんのいちばん政治的にかゆいとこにずっといた人達なんだし。海外の王室とか(バッキンガムにもあったよ)に贈り物として出されたやつも見たかったかも。そっちの方が日本美を伝えるために作られたし出されたのだろうし。

続けて東京藝術大学大学美術館も行きたかったのだが時間切れだった。

写真の起源 英国 @東京都写真美術館


V&Aの所蔵品を中心に、ということでなんでわざわざ英国から来て英国のを、だけど、あのカバの写真見たら行きたくなるよね。「自然の鉛筆」 -  William Henry Fox Talbotから始まった写真の歴史を写真とその技術の進化を紹介していって、ふんふん、なのだがやっぱしカバに尽きた。英国って、おもしろい写真家がいっぱいいることを古本屋とか回って知って、その背後にはこういう歴史もあるのだろうな、って。  昨年V&AにできたPhotography Centreも行かねば。

大石芳野写真展 戦禍の記憶 @東京都写真美術館

ベトナム、カンボジア、ラオス、アフガニスタン、コソボ、スーダン、ホロコースト、広島、長崎、沖縄。 戦争がもたらす死や破壊そのものを直視する、というよりここで写しだされるのは後に遺された遺族や傷に後遺症に不在、なによりもその「記憶」で、記憶がその土地の記憶として、その土地の名と共にあらされてしまうもどかしさと虚しさが全体を覆っているようだった。おじいちゃんやおばあちゃんを取り替えることができないように、あたまのなかの記憶も取り替えることはできないし、消えることがない。だからなにひとつ終わっていないし。 でも、なのに、なぜ? という必見の。

イメージコレクター・杉浦非水展  @国立近代美術館

日本のグラフィックデザインの先駆 - 杉浦非水(1876-1965)の作品とか彼の収集したイメージあれこれとか。動物の絵図がいっぱいあって、それだけで嬉しい、みたいな。
昨年の9月にDulwich Picture GalleyでみたEdward Bawden (1903-1989)の展示を思いだす。彼らの作品(彩色、紙質とかも含めて)が喚起するその国「らしさ」、みたいのってなんなのかしら?  それは彼らがデザインしたものなのか、その前に既にあって収集されたイメージたちがもたらすなにかなのか、とか。

いつも楽しみにしているMOMATのコレクションは今回もとってもよかった。
竹内栖鳳『飼われたる猿と兎』(1908)、速水御舟 『ひよこ』 (1924)、川合玉堂 『行く春』(1916)、船田玉樹 『花の夕』(1938)、跡見玉枝の桜花、そしてとどめにクレーの『花ひらく木をめぐる抽象』 (1925)  とか。みんなやがて去ってしまうものたち。

BunkamuraのWinnie the Poohのはすごい列だったし、V&Aで見たからいいや、にした。
おとといPoohの橋にも行ってきたし(得意)。

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