3.16.2018

[music] Morrissey

10日、土曜日の晩、London Palladiumで見ました。 これがなければJohn Caleの二日目に行くところだったのだが、こっちは11月に取ったやつだったのでしょうがない。

ついに英国でMorrisseyを見る日が来たんだわ、という割には、新譜も聴いていないしLondon近郊数カ所でのライブもチケット取ったのはここだけで、いくいかないで言うと絶対いくけど、ぜんぶきゃーきゃー追っかけるかというと、そこまでは.. というのが今の彼に対する態度なのね。

発売日に取ったのにフロアの席は取れなくて、その点ではここの前から4列目が取れたのにキャンセルになってしまった(3月は彼の月になるはずだった)Randy Newman先生の公演が残念でならないよう。

前座はないから気をつけてね、というメールが会場から来ていたので少し早目に行ったら8:15~Film上映、8:45~ライブ、てあったので安心して近所をぷらぷらした。 Liberty(デパート)が傍にあるのでこのホールだと時間はつぶせるの。

席は2階だったけどとても近くにいるかんじ。昔に彼をApollo Theaterで見たとき(David Johansenが前座だった)の近さとおなじくらい。

Pre-ShowのフィルムはRamonesから始まっていろいろ。じーんとしたとこでいうと、The Human Leagueの“The Sound Of The Crowd”とか、Robert Gordon の”Someday Someway”とか、t.A.T.u. (..いたねえ)の”How Soon is Now”とか。  つまんない前座バンドよかぜんぜんおもしろい。

ここ数回の傾向で「国際的遊興男子」がオープニングかと思ったらElvis Presleyの”You'll Be Gone”に戻っていた。ちぇ。始まった途端にフロアの前方の人々は椅子なんか存在しないかのように液体のようにざざーっとステージ前に寄っていく。
あとはいつもと同じく楽しい彼のライブで、なかでも“November Spawned a Monster”は久々だったのでみんなでおおーって大喜びで歌っていた。 やっぱり”Bona Drag” (1990)からの曲って(便利なので散々聴いたせいか)どれも好き。

ライブの音とかバンドに関して言うと、ここ数年は変わっていない気がするし、彼が朗々と歌うのを妨げさえしなければなんでもよい、べつにJohnny Marrでなくてもいい、くらいになりつつあって、これはよいことではないかしらん。

“Who Will Protect Us From the Police?”と“The Bullfighter Dies”のバックに流れる映像の恐ろしさ。Morrisseyていうのはわれわれ迷える子羊にとっての教師でもあるので、教育の現場であるライブでああいう悲惨な現世の絵を見せるのはよいことなのだ、と思うことにしている。

今回やっているカバー曲”Back on the Chain Gang”も大好きな曲で、The Pretendersがどん底からこの曲で蘇ったときのことを思い出す。よく聴くとメロとかThe Smithぽいのね。

彼に抱きつきたくてどうにかなんとかステージを駆けあがろうとする無数の報われない魂もいっぱい見てつい握り拳を。あれじゃ普通に突進しちゃうよね(若ければ)。最後に投げられたシャツの取り合いも見た。 ああ、”Rank”のジャケットにあったやつと同じだわ、って。

おしゃべりで面白かったのはギターの音が出なくてバックが格闘している間に、この舞台に立ったすごい人々をランキングしてみました、っていうやつ。1位 - Frank Sinatra、2位 - The Beatles、3位 - Rolling Stones、4位 - George Raft (繰り返して言った) - George Raft、好きなのね。5位 - Noel Coward … あと8位にMarlene Dietrich。 London Palladiumってすごい場所なんだねえ。

アンコールは一回、てっきり”Irish Blood ...” かと思ったら”The Last of the Famous International Playboys”をやってくれた。気持ちいい曲だねえ。


これの少し前、8日の木曜日の晩にRough Trade Eastでイベントがあったので少しだけ書いておく。
ソロを出したばかりのTracey Thornさんと、彼女と共作もしているJohn Grantさんのトークで、トークの後にサイン会がある。レコードかCDを買うのがチケットのかわり。
彼女の新譜、音のかんじが最初はどうかしら? だったのが聴いているとだんだんよくなってくる。
Warpaintのリズム隊がすばらしいのね。

トークは、どっちも音楽を作るひとなので、John Grantさんが創作に向かうときの態度とか心構えみたいなのを聞くと、Traceyは、うーんあんま準備しないで、できそうだったらやっちゃうかんじ、とか言ってて、ふたりの違い - Johnはきっちり準備していろんなおまじないしたりして臨む - が際だっておもしろかった。EBTGのスタイルの変遷もひょっとしたら彼女のそういうてきとーなところから来たりしたのかしら。

最初のソロ - “A Distant Shore” (1982)のときも、これはバンド(Marine Girls)っていうよりひとりでできるやつだよね? - ひとりでやろう、って思ったから午後の2日間かけて£160で作った、最初はデモのつもりだった、って。

もちろんサインもらったよ。

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