3.04.2018

[art] Gemäldegalerie , 他

ベルリンでのそのた美術館とか。
今回の旅は1日乗車券で空港からの便も地下鉄もバスもなにもぜんぶまかなった。あれとっても便利。

Gemäldegalerie 絵画館

最初にBotticelliの、あの有名なUffizi Galleryにある「ヴィーナスの誕生」とは別のヴィーナスだけの像がにっこりしていて、至福の「歌う天使と聖母子」があって、宗教画のとこで動けなくなってしまう。こないだのウィーンもそうだったがヨーロッパってこういうのの数が多すぎて見れば見るほどはまっていく。個々の絵の宗教的なテーマや背景や意匠についてきちんと学んだわけではないのだが(大学で教えてくれた先生はひたすら絵の構成とか線とか面とかそんなのばっか)、数を重ねていくと「これはなに?」とか「これってこういうことね?」とかが頭のなかに溜まっていくので足が止まる(のだとおもう)。限られている時間がなくなっちゃうことを除けば、これはよいこと。

イエスさま曼荼羅のループを抜けたら古典地獄で、ざぶざぶあるわあるわ - Fra AngelicoにRaphaelにTitianにCaravaggioにDürerにCranachにHolbeinにRembrandtにVermeerに、Bruegelの「ネーデルランドの諺」にBoschの“Saint John on Patmos” – B面に”Passion Scenes” - ペリカンに、小企画ではJacopo de’ Barbariの「ペガサス」まであるし、ウィーンのあそことベルリンのここはまじでいちんち過ごしていられるわ。

あと、館のまんなかのスペースで”In Neuem Licht (in a New Light)” ていう、照明を落として映える絵特集(たぶん)をやっていて、これもおもしろかった。昔のひとがいまの美術館の白色光と同じ輝度の元で絵を描いたり見たりしていたわけではない、とすれば、それってどんなふう? と。
艶やかになまめかしく浮かびあがるものもあって、ふうんー、で、これって夜の動物園、とおなじような発想なのかもだけど、いまの絵画鑑賞ってさあー。

そこから同じ建物のなかの  Kunstgewerbemuseum - Museum of Decorative Arts

タペストリーに金銀の工芸装飾品からファッション・モードまで。ファッション系はなんかドイツらしくややお堅めなかんじで、まずモノとしてどーんとあるようで(あんまじゃらじゃらなし)、つまりドイツのDecorative、ていうのはこんなふうよ、って。

さらに同じ建物の Kunstbibliothek Berlin - The Berlin Art Library

“Unboxing Photographs. Working in the Photo Archive”ていう企画展示をやっていて、その名の通り、箱にどっさり詰め込まれたおお昔の写真をどうやって救いあげて分類して綺麗にして整理するのか、の工程をライブラリの立場からきちんと解説していて(ドイツ語なので推測)、おもしろそうー、だった。箱に結構たまった昔のチケットとかチラシとかどうしたらよいか教えてください、て思った。

そこからバスで博物館島(ってなんなのか結局よくわかんなかったけど)のほうへ。

Alte Nationalgalerie -  旧国立美術館

ここはまずこの展示に直行する。

Rodin – Rilke – Hofmannsthal : Man and His Genius 

世界中で今年も行われるロダン没後100年祭のひとつ、小さい展示だったけどいろいろたまんなかった。
リルケの芸術観にくっきりとした形を与えたロダン、その小さなブロンズ作品 “Man and His Genius” を中心に、これの石膏版を1900年にロダンのアトリエで見て惚れてブロンズ像を発注したのがホーフマンスタールで、やがてホーフマンスタールが経済的に苦しくなって像を手放さざるを得なくなったとき、間に入ったのがリルケで、それがやがてここの所蔵になったと。
世紀末、精神が危機的状況を迎えてみんなが迷える羊になったとき、芸術はいかにして(それでも)芸術になるのか、なぜ芸術は必要とされるのか、をそれぞれのやり方で考え、模索し、表現した3つの星がすてきなトライアングルを描いていた。

カタログ欲しかったけどドイツ語版しかなかったのであきらめた。

あとはCaspar David Friedrichの部屋があって、彼の代表作がいっぱいあってすごいーさすがー、とか、なんであんなに沢山のAdolph Menzel? とか、CourbetもManetも、こまこまおもしろい一点ものは割とあったのだが、絵画館のあの分厚さのあとだとちょっと.. だったかも。「新」の方のリニューアルが終わったらまたくる。

そこから隣のBerliner Dom - ベルリン大聖堂も閉館間際に入って、パイプオルガンがぶかぶか鳴るなか天国のほう向いてひたすら感嘆したり神だのみしたり、上のほう行けますの矢印に従って深く考えずに階段を昇ってみたら死ぬほどきつくて、もうこれ以上は無理、のとこまできたらまだあと132段あるからむりしないでね、とか貼ってあって、ああここでまじ昇天しちゃうかも、とか思って、ようやくてっぺんに出たら天気はよかったけどきんきんに寒くてでもすぐに戻るのはしゃくだし足がくがくだし、神さまのご試練なんだわ、ととりあえず思って、よれよれとホテルに戻って、晩は劇場に出かけた。

ここで一旦きりま。

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