12.12.2017

[music] Paul Heaton and Jacqui Abbott

7日の木曜日の寒い寒い晩、少し西のほうのEventim Apolloていうホールで見ました。

The Beautiful Southについては、"0898 Beautiful South"(1992)の後のクアトロ公演(ほんとうにほんとうにすばらしかったのよ)に行って大好きになって、ベスト盤"Carry On up the Charts"(1994)の後のNY公演(Supper Club)も行って、クリップ集のLDだって持っているんだからー。

このふたりのデュオはこないだ6月くらいの週末に彼らの地元のHullのスタジアム(!)でライブがあるのを知り、しかも前座がThe Divine ComedyにBilly Braggだったりしたので行くことを真剣に検討したのだが、結局諦めて泣いていたらロンドンにも来てくれた。 当然他の都市も含めて軒並みSold Outしてて、なんかすげえわ、としか言いようがない。

会場に入ったときは前座の、よくしらないラテンロカビリー歌謡みたいなおにいさん(..ごめんね)が演ってて、20:45くらいに彼らが登場する。 バンドはG,B,D,Kの極めてベーシックな4人。 Paul Heatonがギターを抱えたのは一曲だけだったか。 ふたりの恰好は.. Jools HollandだったかのTVショウに出ていたときもそうだったけど、Paulはサッカー場にたむろしてるおっさんみたいだし、Jacquiはただのジーンズにただのシャツだし、ステージ映えしないこととてつもない。 でもこのふたりがこれ以外の恰好(ドレスとか..)で歌っているところを想像できないこともたしか。

Jacqui AbbottさんはBeautiful SouthのNY公演のときに見ているはずなのだが、とにかく二人とも底抜けに歌がうまくて楽しくて(それらを一切感じさせないような上手さと力の抜け具合と)、聴いてるひと全員から笑顔が絶えないし、みんなずっと一緒に歌って手拍子してるし。
そして、嬉しいことに、このふたりときたら、The Beautiful SouthだけでなくてThe Housemartinsの曲もやってくれるんだよ。

しかもその比重は後半に行くにつれて「わかっているから」、てかんじで高まっていって、"Sheep"をやって"I'll Sail This Ship Alone"をやったあたりから後はもうなにをどうやってもわーわーのお祭りで、でもでもどんちゃん騒ぎで一気に突撃、とか爆発、とかではなくて、みんなその場でにこにこぴょこぴょこしながら歌っているだけなの。
その多幸感ときたら、ABBA(もうじきSouthbankで展覧会がはじまるよ)並みの強さで襲ってくるような無敵感があった。
いまの時代、これはこれで貴重だとおもう。 ぽんこつでも酔っ払いでもいい、歌えるんだったら歌おうかー、って。

本編ラストの"You Keep It All In"の真ん中あたりなんて、ふたりが歌わなくてもみんな勝手に歌ってひとりでに走っていくの。
バンドは極めてタイトで安定していて、昔のモータウンとかスタックスのハウスバンドみたいな凄味のある強靭さ。
で、でっかいクラッカーが吹きあがって花吹雪がぱらぱら舞って、わーってなって、ああ年の瀬だなあー、と。

アンコールは2回、最初のが"A Little Time"と、ついに、やっぱしやってくれたわ、の"Happy Hour"。 2回目は"Song for Whoever"やって、バンド全員のアカペラのドゥーワップで劇甘の"Caravan of Love"をやってしゃんしゃん。

自分にとってのLife saverだなあーって改めて。 なんどでも通いたい。


関係ないけど、Simple MindsとPretendersが一緒にツアーするって。 彼らもういいの?

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