10日、日曜日の午後にBFIで見ました。 “Can You Trust Her?” (or Who can you trust? )からの1本。
4K restorationが先月完成したばかりとかで、そのバージョンでの上映。 邦題は『悪魔のような女』。
パリ郊外の寄宿学校に陰険で横暴でものすごく嫌な校長(Paul Meurisse .. またこのひとだわ、やな役ばかりね)がいて、学校のオーナーである妻のChristina (Véra Clouzot)には俺が校長をやっているからなんとかなってると言わんばかりに傲慢なことやりたい放題で彼女は疲れきって具合も悪そうで、更にこいつは学校の教師のNicole (Simone Signoret)とも愛人関係にあって、更に生徒や職員にもしょっちゅう当たり散らしたりするので目一杯嫌われていて、そういういろいろが積もり積もってあまりにひどいので、Christinaの友達でもあるNicoleはもう我慢できないよね、とふたりで計画を立てて、Nicoleは渋々嫌々ながらも協力することにして、少し離れた田舎にあるNicoleの部屋にふたりで出かけて校長をおびき寄せ、酒に入れた薬でぐったりした野郎をふたりしてバスタブの底に沈めて殺してから箱詰めして車に戻ってその箱ごとそのまま学校のプールに沈めてしまう。
誰にも見られてないし気づかれていないし静かになったし、うまくいった気がしていたのだが、しばらくの間はプールから何か浮かんできたり見つかったりしないかとか、どこかで見つかった死体が彼じゃないかとかChristinaはどきどきはらはらで、人探しを手伝いましょうかって現れたねちっこいじいさんにつきまとわれたり、沈めたときに校長が着ていた気がしたジャケットがクリーニング屋から戻ってきたり、生徒からの目撃証言まで現れたりNicoleの心臓によくないことばかり起こって..
これはねえ、完全にやられたねえ。 最初は完全犯罪を狙ったスリラーかと思っていたら途中から学校ホラーになっちゃうのかしら怖いことになるのかしら? になって、そしたらさあー。
あれが立ち上がったとき、場内でも「ひっ」ていう声があがったけど、あのおっかなさはなによ、って。
でもそうだよねえ、冷静に考えたら自分ちの学校のプールに沈めるのってリスク高いし変だったのよねえ、とか思いあたることばかり。
結局全員かわいそうなことになってしまうのでぎりぎりで地獄は回避されている感があるのだが、それでも最後に残るのはこの状態をもたらす悪の根っこみたいなのがのさばる気持ち悪さで、それはどこまで行っても説明されないまま。
タイトルをそのまま訳すと「悪魔」なんだけど、なんで邦題は『悪魔のような女』になっちゃうのかねえ。悪の根源はどう見たってあの校長なのにねえ。やーねー。
12.31.2017
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