12.05.2017

[music] Alison Moyet

少し前、11月15日の晩、London Palladiumで見ました。2 Daysの2日目、初日の14日はあっという間に売り切れ、これは追加日のやつ。
最近の曲をTVで歌っていたのを見て、いいなー、て思ったのと、やっぱし見ておきたいひとだったし。

それにしても最近は.. いや昔からそうだったのだがスケジュール管理ていうのがぜんぜんだめな子で、電子の予定表複数もなんとか同期させようとしつつ、「ちゃんと同期させること」、ていうTo-Doもどこかに飛んでしまうばっかりで、これも前日くらいになってプライベートの予定表に"am"て書きこまれているのを見つけて、夜の時間帯に"am"とはこれってなんだったかしら? と半日くらい頭の底を掻きだして出てきた。
ぜんぶ紙のチケットだったころはわかりやすかったのに、最近は電子だったり、現地お取り置きだったり、郵送だったりばらばらで、どれがどれだかわかんないのでお手上げでとても困っている。 ← ぜんぶ自分がわるいのに。

というわけで、この日、BFIでの"Jules and Jim" (1962)とダブってしまった自分の頭をトンカチでぶん殴ってからこっちにきた。

直前までおろおろしていたので何時に始まるのか前座があるのかもわからず、しかたがないので早目に行って、珍しく前座のひとからちゃんと見た。

Hannah Peelさんというソロのひとで、手回しオルゴール - テープの穴は自分で開けたという - に長くのびた紙テープをセットして、これをからから手で廻しながら童謡みたいにNew Orderの"Blue Monday"を歌って、これがとてもよくて、あとは鍵盤とバイオリンとエレクトロを束ねたりぶちまけたり、ひとりで空間まるごと押さえこんでいた。

そしてその押さえこみは本編のAlison Moyetでは更にものすごくなって、完全に押さえこまれるふう。
ステージは極めてシンプルで、両脇に男性ふたり - キーボードを中心とした何でも屋風情 - が立っているだけ。

R&Bとかディーバとか、まだそんな形容とか枠とかがまったく存在しなかった頃に出てきたYazooという2人組は、ぜんぜんきらきらしていないそのルックス風体からして異様で、でも一番すげえと思ったのはVince Clarkeの固くて透明なシンセに絡みつくドスの効いた彼女の強い声で、それは一聴すると咆哮のようなのに、ねじ込むように歌としての調性を保ちながらこちらにやってきて、当時そいうのをあんまし聴いたことなかったから夢中になった(すぐさめたけど)。

Yazooが消えたあと、彼女がソロをやっていることは知っていたが、Vince ClarkeのほうはErasureで爆発していることがわかっていたし、それなしでも彼女の歌はじゅうぶん巧いのだからきっといいよね、くらいで止まっていたの。

彼女、6月のGuardian紙のインタビューで“What has been your biggest disappointment?”ていう問いに“I am my biggest disappointment.”て平然と答えていて、ああ変わらないんだわ、て思ったものだが、ライブは極めて安定した力強いシンガーのものだった。

曲は彼女の新しいソロからのが中心で、でもやっぱり”Only You”とかが挟みこまれるぞくぞくわーわーになって、 更に終わりの方の”Situation”になると、みんな前の方に押し寄せてライブハウス状態になる。前に走っていくのは年寄りばっかしで、しかも連中の踊り方ときたら… 目を伏せたくなるようなあの頃の、腕をあげてくねくねするやつで、ああこんなふうに時間は止まるもんなんだねえ、てしみじみ感心した。
そして、もういっこあるよ、と思ったあの曲はやっぱりアンコールの終わりで、”Don’t Go”って、延々終わりそうになくて怖くなったが、結局Goして、でもその翌日までずーっと頭のなかで回っていたの。

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