12.11.2017

[film] One Man's Madness (2017)

1日の金曜日の晩、BFIで見ました。 ここでは月に一回くらい、Sonic Cinemaていう音楽と映像を激突させて楽しんでみようていう上映とかイベントをやっていて、それの12月分。
Madnessのドキュメンタリーの上映後に、同作品の中心人物であるらしいMadnessのLee Thompsonさんと監督のJeff Baynesさんのトークがある。

でも行こうかどうしようか直前まで悩んでいて、だって、Suggsが来るんだったら喜んでいくけど、Lee Thompsonだとさあ、とか、タイトルからして、実は彼ひとりがMadnessの狂った部分をぜんぶ担っていた、みたいに重い内容だったらどうしよう、とかうだうだ。

客層は当然男の、中年以降のでっかいの、ずんぐりはげあがったの、が多め。 終わったらそのまま右から左にパブにじゃぶじゃぶ流れて道端に転がっていきそうな人々。
上映前にもLee氏は現れて、満員になっていない会場を見渡して、ふざけんじゃねえぞおら、みたいにひと暴れして去っていった - なんとなくたけしみたいなノリ。

これ、iMDBにもまだ登録されていなくて、DVDでこれからリリースされるらしい。

バンド結成時からのクリップやライブ映像を交えつつ、家族や関係者へのインタビューを重ねていく、というオーソドックスな構成なのだが、もんだいは、家族とか関係者をLee Thompson自身がひとりで変装したり仮装したりお化粧したり物真似したりして演じていることなの。声だけは本人達のをあてているし、Suggsとかバンドメンバーは本人が出ている(当然)のだが、だれそれのパパとかママとかまで、彼がひとりで真面目に演じていて、さらにバカらしいことに、Lee本人もその背景のどこかでひとりバカなことをやっていたりする。 だから"One Man's Madness"なのだが、なんかめちゃくちゃおかしい。演じられている人がどんな人なのかほとんど知らない、どれくらいの違いがあるのかわからないのにおかしい、ていうのはなかなかのもんで、そんなにMadnessを深く追っかけてきたわけでもないのにこれだけおかしいのだからコアなファンは、というとみんなひーひー泣きながら笑い転げまくっている。

なんでこんなことやってるんですか?とQ&Aで聞かれても、やってみたらおもしろかったから、ってそれだけ。
Welcome to the House of Fun ! - Madnessって、そもそもこんなバンドなのよね、というのは十分に伝わってきて、それがさー結成40年を過ぎたってこうなのよ、と堂々と宣言してくれるところが偉いなあ素敵だなあ、て思った。

最後には仮装されていた本人たちが画面に登場して本人比でどれくらい違っていたかを教えてくれるのだが、誠に残念ながらポイントはそこにはないのだった。 でも、どっちにしたって、どいつもこいつもみーんな変なの。 これが英国の宝(だよね、ぜったい)なのだとしたらすばらしいったら。

上映後のQ&Aも、質問の答えから外れた雑談みたいの - そういえばあんなことがあってよ - がほとんどで、漫談みたいになってしまい、ついでに登壇させられた(としか思えない)おとなしくて真面目そうな監督のひとがかわいそうなくらいだったが、おもしろいのだからまったく文句なかった。

姿を見ることはできなかったが会場にはClive Langer氏がいたし、映画にも登場したStiff RecordsのDave Robinson氏は同じ列にいてマイクを握って、”One Step Beyond"はStiffの収益にはあんま貢献しなかった"、とか発言したので、ああん? てぶちきれたLee氏が、おまえリングにあがってこいや! ていう一触即発状態になったりして楽しかった。

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