12.22.2017

[art] Stephen Shore, 他

NYでみた美術関係の主なやつ。

Stephen Shore

15日の夕方、MoMAで。金曜の晩のMoMAは○ニクロさんのおかげでタダになる - ○ニクロばんざい(棒) - ので、”The Last Jedi”のあと、Saks Fifth Aveの壁面ぐるぐるとロックフェラーセンターのツリーを拝んでから行った。

写真家業50年を記念してのレトロスペクティブ。Shoreの写真というと、ぺったんこで漂白されたような風景がまず浮かんでくるが、60年代からのスナップから始まって、結構地道にいろんなことをやりながら写真というメディアの可能性を追っていったひとなのだな、というのがわかる。 写真が見せてくれるもの・残してくれるものは何なのか、あるいは「写真史」がなにをしてきたのか、をそんなに難しく考えこまず大らかに、その結果として眼前に広がってくるでっかい風景を風通しよく提示してくれる。

Londonでポラロイドの展示をやっているWim Wendersが写真家で唯一興味を持てたのがStephen Shore、と言っていたのを思いだした。

これはカタログ買った。

あと、MoMAでこれ見るの忘れて地団駄ふんでる。
“Club 57: Film, Performance, and Art in the East Village, 1978–1983”
4月迄にはなんとしても…

Carolee Schneemann: Kinetic Painting

16日の午後、Williamsburgで”Lady Bird”を見たあと、歩いてRough Trade NYCに行って、そこから歩いてAcademy RecordsのAnnexに行って、そこから歩いてWORD Bookstoreに行って、そこからバスでPS1に行った。歩きながら凍死するかとおもった。

Carolee Schneemannの(信じられないことに「初」だって)大規模回顧展。初期のWillem de Kooningふう抽象表現主義の絵画から入って、絵画のフレームを飛びだして自身の身体、女性の身体を素材としてHappening, Body Art, Performing Art, Media Artの領域にまでぶちまけて、女性の身体をめぐる文化的、政治的、社会意識的なバイアスとか偏見とか無意識とかを掘り起こし、捌いて開いて干して食べてみろ、という。 いわゆるフェミニズム・アートね、と片づけたいひとは見向きもしないのかもしれないけど、その手作りのタッチ・試行錯誤の足取りも含めてすばらしかった。 “Kinetic Painting”とあるように、これらは彼女にとってはセザンヌなんかと同列の絵画なんだろうな、とか。

暗くなり始めた頃にPS1を出て地下鉄を乗り継いでMetropolitan Museum of Artに走る。
ここのクリスマスツリーもこの時期には必ず拝むの。

Balthus - Thérèse Dreaming (1938)

撤去運動があると聞いて、冗談じゃないわよねー、と改めて見にいく。
これ、自分にとっては世界最強の猫絵なんですけど。
Thérèseを夢の世界に誘っているのは画面右下から滑り込んできたごろ猫で、こいつはチェシャ猫だしアルタゴオルだし、これを公開禁止にするんならアリス本を全部発禁にしてみろてめー、なの。
こういう絵を見て妄想を膨らませるひとが悪い、とまで言うつもりはないけど、ほんとに嫌な世の中になったものよね、Thérèseを夢の世界で遊ばせてあげてよ、て思った。


Michelangelo: Divine Draftsman and Designer

Michelangeloは、こないだNational Galleryで見た“Michelangelo & Sebastiano“がなかなか豪勢で強力だったので、見ておくか、程度で行ってみたらこっちもなかなかものすごかった。Michelangelo自身のだけでなく、師匠や弟子のも含めたドローイング(133点)を中心とした包括的な展示。 彫刻に絵画に建築図面みたいのまで、世界中からよく集めたもんだわ、だった。

今年は何故かいろんなドローイングの傑作を見る機会に恵まれているのだが、質量共にこれが一番すごかったかも。 ドローイングって、完成図、最終形の手前の設計図とかデモのようなものだと思うのだが、その段階でここまで世界を、肉や霊(みたいの)を掌握できてしまう驚異。そしてこの人は完成された作品になにを求めていたのか、どこに行こうとしていたのかしら? とか。 神の起案者にして設計師。

カタログは、すこし悩んでやめた。


David Hockney

Michelangelo展の横でやっていたのでついでに見る。 Tate Britainのも含めると5回目くらい。
具体的な点数は確認していないがTateのよか規模は少し小さかったかも。代表作は網羅されているのだが、近年のいくつかとか四季の野道を撮った映像作品とかはなかったし。

あと、Tateは撮影不可だったけど、こっちはOKだった。


Quicksilver Brilliance:  Adolf de Meyer Photographs


Edward Steichenと並ぶ初期ファッション写真の大家の小展示。
サイズは大きくないが、どれも表面が濡れたように光っていてその中で浮かびあがるポージング、その輪郭がかっこよくて、”Quicksilver Brilliance”というタイトルがとてもしっくりくる。 日本の風景写真(なんてあったのね)もなかなか。


Rodin at The Met

本国での没後100年に合わせてMetの所蔵品を中心とした小特集。「考える人」とか”The Tempest”とか定番ばっかりと、書簡とかドローイングとか小物とか。やっぱしパリのGrand Palaisのはすごかったよねえ。

これ見るの忘れて地団駄ふんでる。 2月までかあ…
“Edvard Munch: Between the Clock and the Bed”


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