5日、火曜日の夕方、BFIで見ました。 映画というより2時間のイベント。
Jonas Mekasさんが新刊本 - “Dancing with Fred Astaire”のリリースを記念して最近の映画日記を上映して、トークをしてサイン会をする、という企画。
おおむかし、大学生のとき、まだ四谷にあったイメージフォーラムで見た”Lost, Lost, Lost” (1976)には見たことなかったものに出会ったときの衝撃を受けて、なんであんなランダムにいいかげんに繋いでいるだけのように見えるのに感傷的で沁みてくるのか謎で不思議で、以降彼の映像も本も追いかけるようになったの。なに見ても読んでもおもしろいし。
Mekas氏の軽い挨拶のあとで、約60分の映像 “the Diaries of a Cinema Maniac” - 案内文の方には”the Notebooks of a Cinema Maniac”とあったけど - が上映される。 映画日記の最新のやつで、いくつかのエピソードが繋げられていくだけなのだが、おもしろかったのはSusan SontagさんがBela Tarrさんとかとおしゃべりしているやつ - 「あたしは自分の電話とかFAXとかはわかるしすきなのよ、でもさー、最近のemailとかonlineなんとかっていうのは一体なんなのよちっともわかんないわよ、でもさー、一番やんなっちゃうのはあいつらってとってもaddictiveなのよ、まったくどうしろってのよ」みたいなことをだらだら喋ってるとこ(Mekasの365 Day Project のなかにある)。
あと、胸元にお猿のぬいぐるみを仕込んだHarmony Korineが変てこなタップ - うまいんだかどうなんだかなかなか微妙 - だけどおもしろ - を披露するやつ (これもYou Tubeのどこかにあった)。
一番受けていたのが、米国からLondonに向かう夜行便の機内で、ファーストクラスにしてもらってご満悦のMekas氏がバーで、ビールとウィスキーを交互に飲んだりしながらこそこそ実況していくやつ - 「周りはビジネスマンばかりだからみんなぐっすり寝ておる - 起きているのは自分だけじゃ - 自分は詩人で、詩人は決して眠らないのじゃ - それにしてもこの酒はうまいのう - 極楽だのう - この変な水はなんじゃ? (なぜか南アルプスの天然水が..)ほんとに誰も起きてこないなあ」 みたいなのをえんえんやってて、止まんないの。
上映後のトークは新刊本にも載っている写真とかをスライドで映しながらその時々のエピソードとかを語っていくやつで、でもおじいちゃんの昔語りなので噛み合わなかったり脱線したりばかりでそれがえんえん止まらなくてなんか絶妙におかしい。
「初めてBrooklynのWilliamsburgに来た時はどんなかんじでしたか?」「天国かとおもったわ」とか。
Q&Aでの「なんで”Dancing with Fred Astaire”なんですか?」という問いには「”A Dance with Fred Astaire”というフレーズを挿入することで生まれてくる効果があって、自分は詩人なのでそういうことをやる、それにぼくは本当にFred Astaireと踊っているんだよ」って。
本当に踊ったエピソードは本の最初のほうに出てくるの。
昨年Spector Booksから出た”Scrapbook of the Sixties; Writings 1954 -2010”は、その通りWritingが中心なのだが、こっちは写真とか記録がいっぱいで楽しく読める。
冬籠りはお片づけしながらこれと”Grant & I: Inside And Outside The Go-Betweens”をぱらぱらめくっていく予定。
そしてなによりもJonas Mekasさん、昨日(24日)の誕生日で95歳、おめでとうございます!
12.25.2017
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