10日の金曜日の晩、AldgateのCurzonでみました。
Curzonのチェーンのうち、やっているのはここの一館のみ、上映も一日一回だけで、監督も主演女優も知らない、なんとなく自主制作ぽいかんじなのだが、60'sのTechnicolorのサスペンスとかRuss Meyerのsexploitation映画へのオマージュとか言われてて、予告を見てなんとなくおもしろいかも、程度で。 あと、制作はOscilloscopeだし。
Elaine (Samantha Robinson)は過去に突然死んでしまった彼の思い出を抱えつつ西海岸を移動していて、やがて一軒のお屋敷みたいな家を借りて、そこからまた別の男 - フランス文学の教授とかとつきあい始めて、やがてその彼もめろめろの狂ったみたいになって死んじゃって、その裏でElaineはいろんな薬とかタロットとか小水ボトルとか魔女みたいなことをやっているようで、その後も恋におちて(おとして)は相手は狂ったように破滅して自殺しちゃったりして、やがて警察も動きはじめるのだが、彼女のとこにやってきた刑事も同じようにひっかかるの。
Elaineの部屋にはいろんな薬品とか薬草の瓶とか道具一式があって、怪しげなエロ画も描いてて、魔術のサークルにいって半裸で呪いや儀式に参加して - 全員でぐるぐるまわりながら「エコエコアザラク」とかやってる - のだが鼻をぴくぴくさせて明示的に魔法を使ったり超自然的ななんかが顕現したりするわけではないので、彼女が明確に魔女、としての属性や役割を与えられて動いているというより、彼女は魔女的な小道具とか所作とかを使って男を自分の虜にして破滅させる、そういう魔女みたいな女(or ワナビー)ということもできる。 過去になにがあったか知らんが、愛とかああいうファンタジーがないと生きていられない、それだけのことかもしれない。
というのがばりばりのメイクに衣装、匂いたつような台詞にオーバーアクト気味のいろんな振る舞いでコテコテと飾られてて、相手の男もいかにもな脳たりんぽくて、画面も音楽もそれなりにびっちり加工されてて、わかんなくはないのだがこれで2時間はきついかも、とじりじりし始めた最後のほうに来てあらあらとひっくり返ってこれいいかも、になった。
この手の現代の魔女 - 実はシリアルキラー ものってやがてしっぽを捕まれて魔女狩り or 自滅、ていうのが定石の展開だと思うし、実際に警察が動き出してからそんな風向きになっていくのだが、最後のどんでん(というのかしら)は心地よくて、ああこれをやりたかったんだなー、となんかすっきりした。
たぶんDavid Lynchあたりが同様のことをやりそう(もうやっているのか)なのだが、女性的なものに対するミステリアスで神秘的な陰影のフィルターを一切とっぱらって(あの彩色やエフェクトはそういう効果を狙ったのかも。あるいはFemme fataleぽいオーラのあまりない女優さんを使うとか)、あそこであんなふうにしちゃうのは痛快かも。 今の時代だと特に。
上映後に拍手をしていた何人かは、女性だった気がする。
LAのAmoebaでは、明日14日の夕方、これのDVD発売を記念してサイン会があるよ! (しーん)
3.14.2017
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