18日の土曜日の晩、Royal Opera Houseでみました。
金曜日、週末なんかないかなー、と探していたら、たまたま一枚だけ、悪くない席(オーケストラのまんなかのまんなか)のチケット(£50)があったので買って、見た。
前にみた"Woolf Works"と同じくRoyal Balletのモダンで、たぶんシーズンオフということなのかもしれないが、若手のコレオグラファー3人の作品を纏めて見ることができる。 モダンダンスに関しては、いつまでWilliam Forsythe, Pina Bausch, Anne Teresa De Keersmaeker, Trisha Brown などの周辺をぐるぐるまわっているのかと、それは自分がだめなだけなのだが、モダンに関してはここ10年くらいのひとの身体のありようの変化(があったと思っている)、をなんとか反映しようと試みる若いひとたちの作品を見ておきたい、とずっと思っていたのだった。
(音楽に関してもおなじでしょ? と20年前 - 30年前のばかりに籠るようになってしまった気がする自分を反省したりもするのだが、だってつまんないの多いんだも殴)
ただし、伝統と格式(たぶん)のRoyal Opera House、であるからめちゃくちゃハイパーで尖がってて見にきた大多数のお年寄りが泡吹いて倒れちゃっうようなやつだとまずいので、動きとしてはあくまでもクラシックのフレームを少し広げて敷延、といったかんじものものが多い。この辺はABTのモダンとも似ていて、NHK教育TV(てもうないけど)ぽい、というか。
The Human Seasons
振付はDavid Dawson, 音楽はGreg Haines
タイトルはキーツの同名の詩から取られていて、一年に4つの季節があるように人の心にも4つの季節があってさ、とふたり組のダンサー x 4(+とりまきの花とか虫とか- たぶん)がそれぞれの季節のダイナミズムとかエモとかパッションをストレートにわかりやすく表現している。 冬の枯れ木の固く絡まったかんじとか、なかなかすてき。 あと少しだけ、季節の移ろいとか諸行無常なかんじが出せたらなー、とか。
After the Rain
振付はChristopher Wheeldon, 音楽はArvo Pärt
2パートからできていて最初のが3組の青灰色のコスチュームによるアンサンブル、背景にはロスコ的な爛れた青灰色の四角の枠がふたつあって、その面積がゆったり変わっていって、後半のパートは薄桃色のコスチュームのふたりのpas de deuxで、After the Rainのかんじがとてもよくでていてよいの。
振付のひとは93年にNY City Balletに入ったそうで、だとしたら、どこかできっと見ているはず。 振付もBalanchineぽくちゃかちゃか華やかでわかりやすい。
Flight Pattern
振付はカナダのCrystal Pite, 音楽はHenryk Mikołaj Górecki
これが一番見たくて、一番おもしろかったかも。
薄暗い照明のなかで、薄暗い色のコートを羽織って列をつくり固まって移動している or 連れ去られようとしている or 蠢いている集団があって、時にその隊列が乱れたり割れたり部分的に崩れたり諍いがあったり、やがて集団は分断されて -。
"Flight Pattern”というのが集団が自分たちで決めたパターンなのか、彼らではない誰かが決めたパターンなのか、どちらにしても先の見えない危機感や焦燥がその集団を支配していて、そういうなかでの亀裂や部分的な衝突や奪いあいが全体の動きになにをもたらすのか、などなど。 照明の暗さ(なにをどこまで見せたいのか)と群舞の難しさ(なにをどこまでコントロールするか)の両方をうまく克服していて、今の時代のカオスの紙一重のありようが見事に示されていると思った。
あと、全体として、音楽がオーケストラピットでのライブ、ていうのは大きいよね。PärtやGóreckiの音、ライブだとものすごく生々しく感じるし、そもそもそういう(ライブで聴かれる、踊られる)ものとしてあるのでは、くらいに思ったりした。
今回はアイスクリームはやめたけど、食べないと食べたくなるねえ。
3.21.2017
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