3日金曜日の晩、めちゃくちゃだるかったので(帰れよ)、Leicester Squareのシネコンでみました。
2日に"Wendy and Lucy"を見て、3日にこれを見て、5日に"Certain Women"を見たのだが、この3本はどれもわんわんがいなければ成立しない犬映画なの。 (と思っていたひとが他にもいたらしく、Bloomsburyの"Certain Women"のQ&Aで監督に直接聞いていたのがおかしかった)
冒頭のなにがなんだかよくわからない追っかけっこで、追われているほうがJohn Wickの犬と車のことを怖々語るので、そうかまだめそめそが続いているのね、って思うのだが、彼は実際におうちに帰ると亡き妻の写真をみながらしおしおしていて(必ず外は雨がふってる)、要は傷ついたまま立ち直れていないのだが、そういうときに限ってドアを叩いて仕事の依頼をしてくるやつがいて、あっさり断ったら直後に家をふっとばされて (シンプルでいいよね)、仕事に戻らざるを得なくなる。
依頼はローマにいる依頼主の姉を殺してくれというもので、しょうがないのでローマに飛んで、スーツとか銃とかナイフとか一式ばりばりに揃えて、小気味よく遂行しちゃったもんだから、やくざ世界のパワーバランスが崩れて、こんどはJohn Wickにものすごい賞金がかけられて、NYに戻った彼にはNYじゅうの殺し屋 - あんなにいっぱいそこらじゅうにいるんだ - が襲いかかってくることになる。
筋はこんなもので、昔のやくざ映画みたいな、書いても書かなくてもどうでもよいかんじで、要はふつうに人がいっぱいいるところに自分を殺しにゾンビとかエイリアンみたいに次々に襲いかかってくる殺し屋やくざたちにどう立ち向かってやり返していくのか - ややこしくなるので警察もFBIも一切関わってこない - それだけで、それだけなのにとにかくおもしろいったらないの。
ものすごく要約すると、
Chapter 1: 犬を殺されたから追いまわしてやっつけた。
Chapter 2: 仕事断ったら絡んできたのでやっつけて、そしたら追いまわされた。
Chapter 1は引退したのに無理やり引っ張り出された彼の怒りと悲しみがアクションをモノトーンの、やや思慮深げなものにしていた気がするが、今度のは止まったら、躊躇したら負け、のようなかんじのアンストッパブルなので、思いっきり動く動く。 VRを駆使した漫画としか思えなかった"Matrix"でのアクションが冗談ではなくなっているようなかんじで - つまり実際にとても痛そうできつそうで - 路地とか通路とか壁とか床とか重力とか地上の物理法則が支配する世界で - 乗り物といったら冒頭の車と地下鉄くらい - めくるめく展開していく。 モーフィアス(Laurence Fishburne)が来てくれて嬉しくてはりきっちゃったのかもしれんが、キアヌってこんなに動けるひとだったのね、というのを改めて確認した。
これでいいのよね。背後には山のように黒幕とか闇とか掟とか裏切りとか暗闘があるのかもしれんが、見たいのはどんなふうに銃弾が放たれて向こうにどんなふうに命中したのか、ナイフの切っ先がどんなふうに食いこんだのか、そいつにとどめはさされたのかまだ動いてるのか、それで終わりなのかまだあとに続いているのか、そんなもんで、ここのカメラはJohn Wickの飼い犬の目となってそいつらを嬉々として追っかけまわしている。 Johnny Toから一切の闇をとっぱらってやばい薬かなんかを盛ったようなかんじ、というか。
Chapter 3も楽しみだなー。 John Leguizamoのとこから車が戻ってきて、わんわんも戻ってきて、Civil Warみたいな大戦争になって更なる死体の山が。
でもあれだけ殺し屋がいるってことはそれだけ需要があるってことでしょ。 すごいなー。
既に誰かが書いているかもだけど、Jack Reacher(IDを持たない男)、Jason Bourne(IDを探している男)と、John Wick(IDをなくしたい男)で三つ巴の殺し合い合戦映画をやってくれないかしらん。 “Jack, Jason & John”とかいうの …
あと、John Wickはあれだけの言葉に手話まで使えるので、犬の言葉も操れるにちがいないわって。
3.07.2017
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