映画初めのほうも書かねば。
毎年の映画初めはここ数年、シネマヴェーラで洋画クラシック、ということになっているのだが、先に書いたように2日は低気圧(?)頭痛でしんでたのと、年明けにいきなり『暗黒街の顔役』〜『三つ数えろ』はあまりに猛烈すぎやしないだろうか、ということで3日、お片づけをとっとと投げだして『特急二十世紀』を見ました。
スクリュボール・コメディ初期の傑作、とか言われることが多くて、ではスクリューボール・コメディってなにさ、ていうと変なひとが変なカーブを投げたらその横にいた更に狂った変なひとが別の回転を加えてとんでもない悪玉変化豪速球になってみんなきりきり舞いの大迷惑になるのだが結果はど真ん中でミットに収まってとりあえずめでたしめでたしになるの。 ちゃんと調べてないけどそんなもんよ、たぶん。
ブロードウェイのやかまし演出家のOscar Jaffe (John Barrymore) はそこらに落ちていたようなへたくそ(ってみんなが匙を投げてた)新人女優のLily Garland (Carole Lombard) を手とり足とりしゃかりきになって育てて、彼女はそれに応えてスターになるのだが、互いが互いを束縛しすぎてうっとおしくなったので別れましょ、ってLilyはハリウッドに飛んで大スターになって、Oscarはブロードウェイを追われてシカゴで落ちるとこまで落ちて。 ここまでなら成瀬あたりがしっとり描くバックステージものになってもおかしくないのだが、スクリューがひゅんひゅん回り出すのはここから、がっかりでシカゴからNYに向かう特急二十世紀号にLilyが乗っていることを知ったOscar(& アホな部下たち)の動機も意味もよくわかんない最後の賭け - 奪回作戦が始まって、Lilyは冗談じゃねえわって逃げ回るのだが、そんなことお構いなしに電車は爆走してUnstoppableでどうすることもできやしない。
筋はそんなもんなのだが、見るべきは髪振り乱してぶち切れまくって明らかに変で危ないひとなのにちっともそうは見えない(見えないよね?)John Barrymoreの貫禄の演技のぶっとさと、それを真っ正面から受けて見据えて1ミリも揺るがずにつーんとしてるCarole Lombardの女神っぷりなの。
「生きるべきか死ぬべきか」にしてもCarole Lombardのバックステージものって、ほんとにたまんなくて、熱狂と興奮と陶酔とそれがどーしたのよ、って醒めきった目を交互にへーきな顔でスイッチさせて敵を持てあそぶあの神業、その間合いのとんでもなさ、そりゃJohn Barrymoreだってすごいんだけど、彼女ときたら目と口元の数センチだけで軽々撥ね返してしまう。 白旗あげてお手あげで、さらに黙って轢き殺されるしかない。
とにかくおもしろくてさー、「二十世紀」でこれなんだよ。 これぽっちも進化してないわよ。
あー時間がない。こんなことしている場合では - -
1.10.2017
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