1.24.2017

[log] January 25 2017

このてきとーで散漫でだらしのないサイトを定期的に見にきてくださる方がこの世の中にどれくらいいるのか、たぶん5人くらいはいると想定して、その世界で5人くらいの奇特な皆さんに向けて、効く効かないでいうとべつにどうってことない話ではあるのですが、お知らせをします。

仕事の転勤で英国🇬🇧のLondonに行くことになりました。
健康診断とかビザとか当座の住まいとかいろんなのがとりあえず、漸くクリアされたので、飛行機に乗るのは2月1日で決まり、仕事なんて水モノだし地域的にはどこで何が起こっても不思議ではないご時世なので確かなことは何も言えないよ、と前置きした上で、今の状態ですべてが安泰平和に推移する(わけないけど。くどいけど)のであれば3年とか4年の滞在になることでしょう。

なので、日本で公開されている映画だのアートだのに関するしょうもない感想を探して/求めてこのサイトにやってくる方には知らないのばかりでつまんねえな、になってしまうのかもしれないし、英国や欧州で起こっているなにかを探して/求めてやってくる方には少しだけ芳しいその破片とか色味とか程度はお伝えできるかもしれない。
もちろん、そんなのに触れるヒマとか書いている時間とか体力とかがあって、書きたくなるような世の中が続いていてくれれば、の話だが、そのへんは行ってみなけりゃわかんないわ。

ひとつだけ、世によくあるビバ英国(海外)生活! みたいなものにはしたくないの。
今の渡世はどこに行ったって屑で塵でどうしようもなく辛くてきつくて、だからこそ音楽や映画やアートや文学はきゅうくつな坑道に差す一筋の光だったり喉奥に沁みるひと掬いの水だったりしたわけで(大げさだわ)、そういうふうに顕れてきた光や水、あるいは塞ぎにかかる闇や毒について書くのに、英国であること、英国にいることなんて、どれほどの意味を持つというのか、なの。

と、書いておきながら、幼年期の自分にそんなふうな思想、考え方を叩きこんでくれたのは70年代末から80年代初の英国の音楽だったり、かつてヘーレン・ハンフが「イギリス文学にあるようなイギリス」と呼んだイギリスが書かれているイギリスの文学だったりしたことは確かなので、自己反省を含めたそういう振り返りのなかで何度も地面を見つめて立ち返るようなことになるのだろうな、と、人生の黄昏を前にしてなんで再び、の底なし底ぬけお片付け地獄のなか、PIL聴いたり吉田健一読んだりブライズヘッドふたたびをふたたびしたりしながら思ったわけだ。

と、書いておきながら、英国一辺倒だった自分(80年代末の英国音楽の凋落と共に半死していた自分)を強引に引っぺがし、全く異なる位相の、思いもよらない方角から文化や生活のありようを叩きんでくれたNew Yorkという場所、あの土地が今の自分の脳内地図の大きな面積を占めてしまっていることも確かで、90年代の6年間、00年代の5年間を過ごした彼の地への想いは常に深く強く、なにがあったら遺灰はイーストリバーに、ていうのは変わっていないから。
とにかく、あそこと日帰りできる距離・位置、にあるというのはありがたいこと。

と、書いているなか、いまの日本の文化のありようにはまったく、なんの魅力も感じていないので、ここから離れられる(=見なくてすむ)ことについてはふつうに嬉しい。
ちょっとだけ未練があるのは、『PARKS パークス』とカイエ週間と『アウト・ワン』の上映プロジェクトとナビ派展くらい。
少なくとも、本当にやるのかやるんだったら相当ブラックにヘルにクソ幼稚に行くんだろうなーああ見たくないぜったい見たくない、のオリンピックが終わるまでは戻ってきたくない。

こうして、昨年の暮れくらいからお片付け/お引っ越しプロジェクトがはじまって、おうち丸ごとの引っ越しはあっさり諦めて(まだ死にたくないから。でもどっちみち死ぬよ)、無人島に持っていく本とレコードを選ぶかんじで床に平積みしてある本の山奥に分け入ってみたのだが、開始15分でこっちもさっさとあきらめたくなるのだった。

だって、つまり、まず、持っていきたい本を選り分けるには、それがどこにあるのかを見つける必要があって、見つけるためには山のひとつひとつを崩してばらして掘る必要があって、山をひとつばらすためにはそれをやるための床面積が必要なのだが、そんなのあるわきゃないので、床をどうする問題から入る必要があって、それってつまりお片付けとかお掃除そのものじゃん、で、それって例えば借金をどうする問題になったときに、いいからとっとと働け! ていう当ったり前のとこに落ちるのとおなじで、おもしろみないよね、とか思うのだが、じゃあおもしろかったらお片付けするのかというとやっぱりしないので、これはほんとに腐ってる(←あんたがな)としか言いようがない、どうしようもない。

まあ、見つかんないものは見つかんないんだわ。

あと、あなたべつに無人島に行くわけじゃないでしょ、向かう先はロンドンで、向こうに行ったらどうせ買うでしょ、アナザーマウンテン盛って積むでしょ、性懲りもなく。
なのだが、でもね、向こうでシェイクスピアとか見たいし、見たときにすぐにあそこはああだったのでは、とか確認するためにもイギリス文学(翻訳もの)の最小限はほしいじゃん、とか、あ、でも、じゃあ、その最小限てイギリスだけでいいのか、フランスだってドイツだってアイルランドだって行くだろうし掘るだろうし。 イギリスの子だけ連れてくなんて、そんな酷いことをしていいのか。

という具合に際限なく遊んでいられるうちはまだよいほうで、もういい加減ケツに火が。

あとさ、本てある時突然、熱病みたいになんか読みたくなって止まらなくなることあるし。頭痛薬を多めに持っていくような配慮もいるのよね。と、無人島本を選んでいく中で発覚したむかし買おうと思って買っていなかった本たちを纏め買いに走ったりして、とても愚かなことになっていたり。

レコードに関してはもっと身近で、ずっと流しているものだからいっときのあーあれ聴きたいわ、で選んでしまうと行ってから愕然(なんでこんなの持ってきた? なんであれを持ってこなかった?)、というのを既に2回の海外引っ越しでやっている。今度のはうまくいくことを願うのだが、相手はイギリスだからねえ。いざとなりゃなんでもあるのよね(殴)。
で、あと一週間を切ったところで、CDと7inchはまだ触れられてもいない…

こういったところも含めて、ほんとうに来週に飛行機に乗れるのかわかんなくなってきてなかなか不安なのだが(なら働け)、がんばります。 ちゃんと空港まで行けたらばんざいだわ。

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