8.30.2016

[film] I Am Not a Hipster (2012)

会社休んで健康診断いった。 不健康診断ですな、ていわれた。 ぷん。

7日の日曜日の晩、”We Are the Best !”に続けてみました。 これも音楽映画。
「わたしたちは最高だ」ていう映画のあとに「わたしはヒップスターではない」ていう映画を見る。
どうしろっていうのか。

San DiegoでBrooke Hyde (Dominic Bogart) ていうシンガーが小さな小屋でライブをしようとしていて、1曲やったところで気持ち悪くなってトイレに駆けこんで、なんでこんなことになっちゃったんだろ、と。

ひとり宅録して作ったアルバムが向こうのインディーシーンで評価されてカリスマ扱いされるようになってしまったBrookeの周辺で、しょうもないアーティスト気取りの奴がマネージャーみたいなことを始めたり、その紹介でラジオ番組出たらろくな質問されずにうんざりしたり、元カノが業界DJみたいなちゃらい奴と一緒になっていたり、周囲がみんな自分の行きたいほうをぜんぶ潰したり塞いだりに来ているような気がしてぐったりしていたら彼の姉3人と父親が様子を見にやってきて、いいから家に泊めさせろ、という。 

ねえねえそもそもみんな陽気でガレージなSan Diegoなんかに来たのがいけなかったんじゃないの? とかつっこみたくなるのだが、かしましい3人の姉たち(過去になにかあったらしい父親は車に隠れて出てこない)の登場は彼の顔を少しだけ日向に、子供の頃のスイートな日々に向けさせて、なんかよくなったかも、音楽つくれるかも、になっていくの。

そんなに笑えるところはなくて、自分で自分のために音楽を作ってそれを知ってもらったり売ったりしていくことの(あたりまえだけど)地味な大変さとか、孤独であること/孤独になれないことの面倒臭さがあまりぱっとしないBrookeの風貌と共に描かれていく。 というアート/音楽(のコミュニティ)映画として見る、というよりも、家族みんなで浜辺に行ってぼんやり空を見上げたりするところのほうが印象に残って、そっちのほうかも、と思ったり。 でもだからといって現実離れしたかんじはない。 そういうなかでしか音楽は生まれてこないのだね、という淡々とした決意があるだけ。

“Short Term 12” (2013)の監督 - Destin Daniel Crettonのデビュー作で、あの映画でのBrie Larsonの眼差しが経緯とかよいわるいを超えて圧倒的に正しく、強くあったのと同じように、この映画のDominic Bogartの目もあって、それがあるだけでよいと、監督が伝えたいのはこれなのかもしれない。

Brookeが作って歌う曲も含めて、音楽は”Short Term 12”でも担当していたJoel P. Westさんで、なかなかすばらしい。 “Grandma” (2015)もこのひとだったのね。

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