8.17.2016

[film] Wiener-Dog (2016)

ヒースローに着地したのが14日日曜日の15:40くらい。 走ってイミグレ抜けて荷物ひっつかんでHEXのってタクシー乗り換えてホテルに入った時点で17時だった。 日曜日なのでこの時点で美術館関係はぜーんぶアウト。
しょうがないので泣きながらRough TradeのEast(ここは日曜でも19時まで)に駈け込んで少し買って(あまりなかった)、夕食のためホテルに戻って、ご飯食べたあとでまだ時間があったので、20:45からこれ見ました。

映画館のCurzon SOHOはインディペンデント系のチェーンで、前も来たことあったけど、ソファがあってちゃんとしたカフェとバーがあってとっても居心地のよいスペースで、家族向けのシネコンとは別の、映画好きの若者たちが上映前も後もゆったりわいわい楽しめる場所にもなっていて、東京にはないかんじのよさがあるの。 夜中遅くにしか来たことないけど。

Todd Solondzの新作。 Wiener-Dog - ダックスフントのだらーんとした下半身がポスターに描かれていて、彼らがぶんぶん大活躍するかわいい動物映画かというと、Todd Solondzであるからそんなに甘いもんではなかった。

独立したエピソードが4つあって、癌から生還した子供のためにパパが Wiener-Dogを買ってあげるのだが、粗相してばかりでしょうもないのでパニックをおこしたJulie Delpyのママが獣医のとこに送って安楽死させようとするのとか、その獣医のところで同じ犬かどうかはわからないのだが、Greta Gerwigさんが一匹連れて帰って、彼女が高校のときの同窓生のKieran Culkinと偶然会うはなしとか、これも同じわんわんかはわからないのだが、大学で映画の脚本を教えているDanny DeVitoの話とか、Ellen Burstynのおばあちゃんのところに孫娘とその怪しげなアーティストの彼がお金をせびりに来たりとか、それぞれのエピソードの主人公のあいだを渡り歩くWiener-Dogがつぶらな目でほっこりとしたなにかをもたらしたり繋いだりする、或いは、エピソードに共通した都市とか郊外の腐れたランドスケープがわんわんの不恰好さ、不器用さのイメージに収斂していくとか、そういうものではなくて、どことなく不穏で壊れてしまった人たちの傍に、長い胴体の片方の端にきょとんとした顔、もう片方の端にぷるぷるした尻尾をもった奇妙な動物がいるよ、ていうそれだけのことなのだった。

これ、パグだと同系でも全く別のお話しになってしまう気がする。あと、ゴールデン・レトリバーとか猫では成立しない話のような気もする。 

それぞれに少し哀しくておもしろい(少しの悪意/悪趣味と)Todd Solondzの世界だったのだが、サンダンスでブーが起こったというあのラストはさすがにちょっとねえ、だった。

それにしても、いつもながらに挙動不審なGreta Gerwigと全てが投げやりでどうでもいいかんじのKieran Culkinが向かい合ったときに醸し出されてしまう90年代のルーザー臭は、なんかすごいなあ、と思った。 あれは演技の域を超えているわ。

夜は昼間とぜんぜん違ってきんきんの冷気が来ていてびっくりした。

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