週末、いきなり発熱したり目がまわったりして、はんぶん死んでた。
8月7日、日曜日の夕方、花火大会と法事から都心に戻ってきた夕方、新宿のカリコレでみました。
ちなみに今年のあんず飴は3本。
なんかすごくよかった。
Rolling Stoneの”25 Greatest Punk Rock Movies of All Time”にも入っているし、Sight & Soundの”Thurston Moore’s top 10 punk rock films”にも(なかなか殺伐としたリストのどまんなかに)入っているし。
80年代初のストックホルムで、家族にも学校にもうまく馴染めない中学生の女の子ふたりがいて、でもものすごく馴染めない、とか虐待されている、とかそういうことではなくて、例えば家族はしょうもないけどそれなりに仲良しでいくらでも遊んでくれそうで、でもなんかそういうのじゃないし、学校も行きたくなくなるほど嫌だったりつまんなかったり、ということはないのだが、とにかくみんなガキっぽくてつきあってらんねー、だったり、なんでスポーツばっかりやらされるんだよ! だったり。
当時の、現地のパンクを聴いてもいるけど、それ以前のところでなんか気にくわないことだらけで、きちんと説明できるわけでもないし説明したくもないし、暴れたいけど暴れられないし、暴れたり壊したりしたい、ていうのとも違うの。 公民館みたいなとこ行ったらバンドが練習していて、あたしらもやってみようよ、て貸出可能なベースとドラムスを手にして、ばしゃばしゃやってみて、なんか叫んだら曲みたいになった、気がした。
そこからは楽しくて没頭するようになって、楽器ができるやつがいないとだめだわ、ってクラシックギターを黙々と弾いていた不愛想なクリスチャンの女の子をスカウトして、そんな環境と境遇なのになぜか彼女は乗ってきて、バンドみたいになっていくの。
ふつうのよくできたストーリーであれば、ここからバンドは一生懸命練習して上達して人前でやれるようになって、クライマックスのステージには神が降りてきて一同鳥肌、みたいになるはずなのだが、決してそうはならない。 (種類はぜんぜんちがうけど同系のバンドもの、としての"Sing Street"はこれと比べたらよくもわるくも相当に幸福な映画だとおもう)
バンドのかたちができようとも、レパートリーが少し増えようとも、練習して少しはうまくなったとしても、彼女だちは社会化されたバンドの子にはならずに、不機嫌な面持ちを崩さずに不機嫌なままひとりとひとりとひとりでそこにあろうとする。
それゆえにどんなひどいことになっちゃったとしても(なっちゃうんだけど、最後のほうで)、べつにへっちゃらで、ふつうに"We are the Best !”て言い切れてしまう。
それはかつて同じ80年代初、San Pedroに実在した3人組バンドが"We Jam Econo"とさらりと、でも確信をもって言い切ったこととも呼応して不思議な感動を呼ぶの。
8.29.2016
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