土曜日の夕方に成田に戻ってきました。 5時少し前に駐機して走って5時19分発のNEXに飛び乗ったのだが東京駅に着いたのは6時20分くらいだったのでアンスティチュは諦めた。ううう。
機内で見た映画たち;
Buscando a Gastón (2014)
「料理人ガストン・アクリオ 美食を超えたおいしい革命」。英語題は“Finding Gaston”。
見逃していて見たかったやつ。
ペルーの料理人Gaston Acurio - 94年、リマにAstrid & Gastónをオープンして、当初フレンチビストロだったはずのそれがどんどんペルー地産料理レストランに変貌していって、世界のベストレストランに選ばれるまでになった、本人と周囲のインタビューを通してその軌跡と哲学を明らかにしていく。
料理人としての技法を駆使してマイナーな地位にあったペルーの食材や料理を世界に通用するレベルまで高めて広めていくこと、それを通してペルーの農業や漁業、料理教育のベースを豊かにする - このサイクルをまわしていくことでペルー経済を救うこと。 書いてしまえば簡単だけどものすごく大変そうで、でも確かに映画のなかで言われているように90年代に暗黒だったペルーの経済は、そんなでもなくなっている気がして、もちろん彼ひとりの所業ではないのだろうが。
ペルーに初めて行ったのは96年くらい、仕事で3〜4回行った(その頃に彼はもう自分の店でのしあがろうとしていたのね)。 映画にも出てくるお魚もセヴィーチェもキヌアもトウモロコシも芋も、食材の豊かさおいしさにはとてもびっくりしたものだったが、でもそれを言うならブラジルもチリもアルゼンチンもエクアドルもそう - 現地のものにスペインやアフリカのものが流れこんで多様化・進化していった - だと思っていて、ではなんでペルーだったのだろう?
そこにGastonがいたからだ、というのは多分当たっていて、ではなんでブラジルの料理界にGastonは現れないのか、そんなにも彼の技術はすごいのか、政治家の息子としてその辺に長けていたからなのか、といった辺りを映画は明らかにすべきだったのではないかしらん。 彼が試食したり人と会ったりするところではなくて料理するところの、そこで起こる魔法を見たかったのに。
でも、食材とその生産者、料理をつくる人をレスペクトすることが世界の平和につながる、ていう彼の思想はそんなに間違っていない気がする。「カスタマー」にひたすらぺこぺこして「和食」とかわけわかんないもんを代理店経由で持ち上げてバンザイしているこの国のみっともない食事情よかずっと健全だわ。
彼がNYに出したお店 - La Mar Cebicheria Peruana - がNY Timesのレビューで星ゼロをくらったことは有名なはなしなのだが、もうクローズしてしまったので行って確認することもできないの。
ああでもおいしいセヴィーチェ食べたくなった。 すごいセヴィーチェってとっても繊細で口のなかに海まるごとみたいに広がって転がって至福なんだよねー。
Pan (2015)
これも見逃していたやつ。 Joe WrightによるPeter Panの前日譚。 孤児のPeterはどうしてPanのPeterになったのか、ていうおはなし。
第二次大戦の頃のイギリスで孤児院のとこに棄てられていたPeter(Levi Miller)が黒ひげ(Hugh Jackman)の空飛ぶ海賊船に吸いこまれて、怪しい石を掘りだす奴隷仕事をさせられるなかHook(Garrett Hedlund)と知り合って、海賊と原住民と彼らが守る妖精の国との戦いに巻きこまれていくの。 やがて原住民のTiger Lily (Rooney Mara)から聞かされるPeterの出生の秘密と黒ひげのやろう〜 を通してPeterが目覚めるまで。
ロンドン上空に現れた海賊船が孤児院の屋根の上で子供たちをひょいひょいさらっていくところと、それをイギリス空軍が迎撃して宇宙まで飛んでいっちゃうあたりまではすごくおもしろいのだが、採掘の奴隷仕事から革命だー、になって、でもぼくはそんな器じゃないし飛べないし、てうだうだするあたりからなんかふつーでつまんなくなっちゃうのね。 なんでPeterが覚醒して大人になることをやめちゃったのか、もうちょっとちゃんと描かないといけないんじゃないの、とか。
Rooney Maraかわいい。 あの扮装、The CreaturesのころのSiouxsie Siouxだよね。 ちょっと運動神経なさそうだけど。
それにしても、“Smells Like Teen Spirit”はこういう群衆ミュージカルの定番みたいになっていくのかしら。
あと、あの鳥。どっかで見た気んだけど..
これ以外は、”The Peanuts Movie”をもういっかい見てじんわりして、まだ時間があったので”Valentine's Day” (2010) - 来週だし - を見ていた。既にとってもなつかしいかんじ。
2.07.2016
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