1.17.2015

[art] Willem de Kooning

9日金曜日の晩、7:20くらいにブリ美でみました。 終っちゃいそうだし。
このさき、John and Kimiko Powers Collectionのde Kooningを纏めて見れる機会があるとは思えないし。

時間ないかも、と思って少し慌てたら10分で見終わってしまったので、びっくりして何回かぐるぐる回遊してみる。 たった35点しかなかったのね。

ピンク、というか肌色に波うつたぶたぷの、おそらくこっちを向いて立っている女性像。
この肌色が画面上に踊ったり浮かんだり擦れてかさぶたになっているのを見ているだけでたのしい。

“League” (1964)の、新聞紙の文字の上に塗り重ねられる肌色、“Untitled” (1969)の、和紙の上で奔放に跳ねる桃色、「xxの女」的な記号として読まれたり書かれたりすることに対する圧倒的なNO!であると同時に、であるように見せつつ、それって単なる画家の涎でしかなかったりして。

Francis Bacon(b. 1909、de Kooningより5つ下)が筋肉や臓物からにじみ出る苦汁とか酸で捩れて変容していく男性(の時間)を描いたのに対して、de Kooning(b. 1904)は外からべたべた塗られたオイルとか蜜とかでゆるゆる溶けていく女性(の空間)ばかりを描いた。 この差をどう考えるべきなのか、とか。

あるいは、紙の繊維の束を浸して上から下に滑っていく油と重力に対して、画面と垂直にドリップされ均質に散らされていくJackson Pollock(b.1912)のペイントとの違いは、じゃあMark Rothko(b.1903)は?  とか。 拡がりはいくらでも出てくる。

Abstract Expressionism - 「抽象表現主義」ってなんだよ、ていつも思う。 これを言われるといつも頭に浮かぶのは谷岡ヤスジとかなのだが。

de Kooning、50年代から「女」のシリーズで崩れはじめる前はこんなにかっちりした - Lucian Freudみたいな - のも描いていた、というのも。

http://www.metmuseum.org/toah/works-of-art/1984.613.1  (The Glazier, 1940)
http://www.moma.org/interactives/exhibitions/2011/dekooning/archives/296  (Portrait of Elaine, 1940 - 41)

彼の全体像を見るにはここのサイトとか。
http://www.moma.org/interactives/exhibitions/2011/dekooning/

あと、この展示の横でやっていた堂本尚郎とザオ・ウーキーもよかった、と備忘で書いておく。

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