12.18.2014

[film] Fargo (1996)

いっことばしてた。 8日、月曜日の晩、日本橋で見ました。
昔、米国でTVで見たきりだったので。 BD上映だけど、冬の映画だしいいかも、て。

凍てつくアメリカの田舎で、お金に困ったWilliam H. Macyが妻の誘拐をやくざに依頼して身代金の半分を分け前として貰うのを企んで、おしゃべりでやかましくて女好きのSteve Buscemiと無口で煙草ばかりふかしていて不気味なPeter Stormareの2人組に車ごと託して、連中はやかましい妻をなんとか誘拐するのだが、妻を運ぶ途中の雪道で警察に止められて面倒になったのでそいつを殺して、更にそこを目撃されたもんだからそいつらを追っかけて殺しちゃうの。 その捜査にあたったのが身重のFrances McDormandで、だんだんに追いつめていって、誘拐を企画したWilliam H. Macyは身代金の受け渡しをどうするかで金を出すのは俺なんだから俺がいく、ていう義父ともめてぐだぐだして、結局義父が引き替えに行くことになるのだが、Steve Buscemiと撃ち合いになって義父はしんじゃって、血まみれになったSteve Buscemiが隠れ家に戻ると人質は殺されてて、なにやってんだバカって喧嘩したらうるせえこのタコ、ってPeter StormareはSteve Buscemiをミンチにしちゃうの。 こんなおはなし。

真っ白でみんな凍えて荒んでいる田舎で間抜け共が起こした滑稽で陰惨な事件と、寒すぎるので丸くなってぬくぬく朗らかな大食いの警察のおねえさんがやんわりとぶつかって、とりあえず事件は解決するのだが、解決ってなんなんだ寒くてしゃあねえやい、ていう。

しかもこの、冗談みたいになし崩しで転がっていく(見られたら殺しちゃう、やかましかったら殺しちゃう)おはなしが実話(登場人物の名前は変えてある)だっていうんだからなんというか。
何人もの人が殺された事件で正常異常言ってもしょうがないのはわかっているけど、誰になに言ってよいのかわからない全身が雪で埋まっていくようなかんじときたらなんだろ。

この前の日に見た”Devil’s Knot”とおなじような「現実」世界の救いようのなさ、がちがちに寒いんだからどっちにしたって救いようなんてないのよ、って。

がちがちの冷たい世界をフレームにおさめたのはRoger Deakinsさん。ぜったいあの土地の上に立って風に吹かれたくなんかない。

今年からFX TVで始まったTVシリーズの”Fargo”も見たいなあ。(Joel & Ethan Coenはexecutive producer)

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