29日の土曜日、フィルメックスのDavid Cronenbergの初期作品集の2本目。
『クライム・オブ・ザ・フューチャー/未来犯罪の確立』 63分。制作費は$20,000だって。
“The House of Skin”ていう皮膚科医院をやっているTripod (Ronald Mlodzik)が語り手となって彼らが崇拝していたAntoine Rougeていう皮膚科医と、彼の施術がもたらしたあれこれ(耳とかからなんかでろでろ垂らしてしんじゃう)とその周辺で蠢く変な人たちを追ったり説明したりする。
“Stereo”と比べるとこっちはカラーだし、ナレーション以外に効果音(グースの鳴き声みたいのとかノイズとか)も入るのだが基本的なとこは同じような感触。 感触の映画で、ちりちり神経に触ってくる。
前者はコミュニケーション(テレパシー)、後者はスキンケアで、どっちも気持ちよくて夢中になって中毒になりがちなやつで、でもテーマになるのは中毒になることそれ自体にあるのではなく、中毒の快楽をその裏側に入りこんで統御・コントロールしようとする機構とかメカニズムとかのほうで、ナレーションはねちねちこまこま、うさんくさくその由来だの正当性だのを云々するのだが、でもその声もまた、なんかべったりと張りついてきて気持ちよいんだかわるいんだか。
割と遠くから被験者達の挙動を追った“Stereo”のモノクロのもこもこした感じ(がもたらす不可視感と不達感)と比べると、こっちはクリアなカラーで割と近くから語り手のTripodの馬づら、なかなか気持ちわるい表情や動きを追っかける。メガネのグラスをぺろりと舐めるとことか、たまんないひとにはきっと。
そして最後に現れる世界の破綻と終端と。 とつぜん馬男の前に立ちはだかる5歳のガキ娘。
転移なのかリインカーネーションなのか、この異様さもなんかすごいったら。
12.02.2014
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