20日の木曜日の晩にみました。
たぶんの風邪で会社休んだあとだったので微熱状態で。
「17歳」。英語題は"Young & Beautiful"。 そのとおり。いぎなし。
家族と一緒のバカンス中に17歳になったイザベルは、そこで知りあったドイツ人男との間で処女をポイ捨てて、帰りぎわにそいつも捨ててしまう。 そんな夏。
秋になって学校が始まると携帯を使って知りあった男とホテルでおちあい、要するに売春をはじめて、いろんな男共と会っていろんなことをする。
そのなかのひとり - 少し仲良くなった初老のジョルジュとやっている最中に彼は発作をおこして彼女の下で死んでしまい、びっくりした彼女はそのまま逃げてしまうのだが、当然警察がやってきてみんなにばれて、さんざん怒られる。
冬はもうこりごり、というかんじでおとなしく過ごす。 やがて学校でBFもできるのだが、ガキっぽいので適当につきあってやる、程度の日々。
春、携帯のSIMをかつてのそれに戻した途端、「顧客」からの着信で溢れかえる。 そのなかの誰かとジョルジュと会っていたホテルで落ち合うことにすると、そこにひとりの婦人が現れて。
17歳ていうのはさー とみんなが語りたがるものの、とにかくうるせえんだよすっこんでろ、と思ってハリネズミで不機嫌なのは17歳の当人で、であるが故に17歳というのは永遠の聖域でアンタッチャブルで、という孤高感、孤絶感をしらじらと描きだしていて気持ちよい。 カメラすら寄っていくのをためらう、さらにイザベルを演じたMarine Vacthのクールな美しさも手伝って、きんきんに冷えた爽快さ、みたいのがある。
誰もわるくない、ジョルジュは死んじゃったけどあれは事故だし、自分の身体も精神も自分で守るしなんとかする、お金だって自分で稼ぐ、学校にも行くし家族行事だって参加する、だからほっといて横でわあわあ言わないで文句いわれるすじあいないし。
こういうお話しの主人公はたいてい、ちょっかいを出してくる他者(男とか大人とか)によって痛いめにあってどん底とか地獄を見て、少しだけ成長(陳腐化、堕落)するものだが、イザベルにはそういうのは来ない。 それくらい彼女は超然とできあがっている。 でも最後に現れた婦人(Charlotte Rampling)とのひと時が彼女の17歳に別のかたちを与える。 それは緩く長く引き伸ばされたどんづまりで結局救いはないようにも見えるし、17歳の自分が別の身体(死んでいるひとも生きているひとも)を介して別の時間(猶予?)を与えられた、ようにも見えるし。 婦人は幽霊だったのかもしれないし、あれは50年後の自分だったのかもしれないし、彼女は夢を見たのかもしれないし。
四季がぐるりとまわって、なにかが戻ってきたように思えるラストがすばらしい。 映画はなにもしていない。 彼女が若くて、美しい、だけ。
3.24.2014
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