16日、NY最後の晩にBAMで見ました。
BAMのSpring Seasonの出し物のひとつ、16日が初日で、チケットはずっとLimited Availabilityのマークで購入できなかったのだが、当日サイトに行ったら買えた。
$120だった...
http://www.bam.org/theater/2014/green-porno
去年くらいにできたBAMの新しいスペースでの上演、開始前にBAM Cinématekのほうにチラシとりに行ってゆっくりめで中に入ると全席自由の先着順だった…
さて、2年くらい前だったか、VillageのIFCに映画見にいったとき、ここでは上映前予告の時間にShort Filmを流すことが多いのだが、ここで"Green Porno"がかかったの。
そこではイカの着ぐるみを纏ったイザベラ・ロッセリーニがイカの交尾についてじたばた面白おかしく説明していて、なんの前知識もなしに見たもんだから絶句するしかなかった。 おばさん、とつぜんどうしちゃったの? と。
その後、Sundance Channelとかで上映されていたらしいこの短編はシリーズで作られている(全9作らしい)こと、これはイザベラ・ロッセリーニ自身が企画して製作していることを知って、へんなおばさん、ておもった。
しかしこの企画はそこで留まることはなく、彼女自身による舞台でのパフォーマンスにまで発表の場を拡げていく。 それほどまでしてみんなに見てもらいたい、知ってもらいたい、ということなのか、と。 解説によると、子供のころから動物が大好きで、大人になってモデルや女優をはじめてからもひとり学校に通って勉強を続けていたそうなので、ライフワーク、なのだろう。 そうでもなければあんな着ぐるみとかペニスあれこれとか自分でデザインしたりしないよね。
というわけで動物好きとロッセリーニ好き(どのロッセリーニでも)は必見なの。
性ってへんなの、というのは確かにある。 自身の種を維持するための生殖行為、にはちがいないが、なんであんなに生き物ごとに違っていて多様なんだろうか、という不思議。 それぞれの生物にとっては捕食とおなじく生きていくために必要なことで、必死だったが故にいろんな工夫や錯誤を繰り返した挙句にああなったりこうなったり、ということなのだろうし、そんなのヒトの知ったこっちゃねえだろ、ではあるのだが、知ったこっちゃないところでそれぞれの個体が地味に地道にがんばっている姿をみてしまうとたまんなくいとおしくなって、このおばさんみたいにみんなに教えてあげたくなるのもわかる。
そもそもおおっぴらに/他人にみせるべきではない秘め事をみんなの目の前に曝す、という点でこれは確かにポルノと呼びうるのかもしれない。
でも、快楽はそんなにやってこないしエコだからピンクではなくてグリーンなの、かなあ。
でも、絶頂に達したとこで頭を齧りとられてしまうカマキリの♂とか、6フィートもある鯨の男根とか、あひるのあれはゴリラのよかでっかいとか、興奮するひとはしてしまっても一向に構わないの。
舞台上には演壇がひとつ、その背後にスクリーンがあるだけ。
黒のシンプルなドレスで登場したイザベラさんは学校の先生のようで、スクリーンに過去のGreen Pornoからの映像を使いつつ澱みなくすらすら講義を進める。
自在に性転換するかたつむりのとこ(たしか)で、スカートをひっぺがして男性のパンツ姿になり、いろんな着ぐるみにつけたり紙人形使ったり、先生自身もいろいろ変容しつつ、不思議な動物たちの不思議な性の世界が展開されていく1時間15分の学園教師モノなの。
脚本は、イザベラ・ロッセリーニ自身とジャン=クロード・カリエール(!)
(台詞は音楽のようにすらすら美しく流れていったねえ)
演出は、コメディ・フランセーズのミュルエル・マイエット。
途中、ロッセリーニ家の家族写真がでて、最後にママ - イングリッド・バーグマンの大きな写真が映しだされる。 不思議なものでしょ、なんだか似てきたのよね、と (… たしかにそうかも)。
これもまた自然がもたらしたなんかなんだね、て。
帰りにDVD付き、写真いっぱいの本買った。
1.24.2014
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