11.29.2013

[film] The Hunger Games: Catching Fire (2013)

24日の日曜日の夕方、メルボルンの街中をうろうろしたあと、ホテルの下で見ました。
ほかにはThorとかも見たかったのだが、まずはこっちよね。

前作の監督:Gary Ross、撮影:Tom Stern、音楽監督:T-Bone Burnettといった重厚で地に足のついた製作陣と比べると、次々とリリースされたトレイラーを見ただけで安くなっちゃったかも、という気がして、それは確かにそんなふう、特に最初のほうはなんか退屈で、どうすんだこれ、のかんじが漂うのだが、後半に向かうにつれて変なふうに変貌していく。

前回のHunger Gameで勝利したKatniss (Jennifer Lawrence)とPeeta (Josh Hutcherson)を"Hope"の象徴として革命の神輿にあげようとする反乱勢力とこれを逆手にとって"Fear"の象徴に置き叩き潰そうとする権力側の戦い、という軸と、とりあえず家族の生活は保証されたし、元の恋人Gale (Liam Hemsworth)と表の恋人Peetaとの関係も問題ないし、でも権力者への憎悪はたぎりまくるKatnissのぎりぎりした日々と。

全体にぐしゃぐしゃの、べたべたのエモが漲っていて、出てくる人達はどこかしら狂っていて、それが伝染してみんな異様なテンションで走り回っているかんじ。
けっか、衣装も表情も動作もとってもB級ぽいのだが、それ故の妙な切なさと熱が襲ってきてだれもかれもをハグしてキスしたくなる、そんな映画なの。
のれるひとはのれるけど、だめなひとにはぜんぜんだめなのではないか。 わたしはたまんなくなって3本指ポーズをしたくなった。

とにかく誰彼キスしまくって、むくれて狂ってイノシシのように突っ走るJennifer Lawrenceがすごい。  Léa Seydouxの不機嫌にアメリカの荒涼と無軌道を足したようなものすごい形相でつねにぷんぷんしてて、サバイバルとはいえこんな娘に振り回されるPeetaとGelaがかわいそうになる。 Peetaなんて、結婚したらぜったい尻にしかれるに決まっているのに、それでもそんな女といたいの? なにかを握られてるの?

それでも、そんなふうに彼女が堂々傍若無人に画面上にのさばっているが故に、彼女のふくれっつらとキスがものすごくリアルにやってくるし、くそじじいのPresident Snow (Donald Sutherland)がこいつを(or 互いを)心底うっとおしいと思うのもようくわかる。
それは"Silver Linings Playbook"での混乱した危険なTiffanyそのままのようでもあり、とにかく目が離せない - こっちには寄ってこないで、と祈りつつ。

そこに今回新たに加わったJohanna (Jena Malone)のほれぼれするようなビッチぶり。 まるで杉本美樹と池玲子だよね。 恐怖女子高校じゃなくて恐怖国家で。

ラストのKatnissの怒りに燃えた目 - てめえぜったいぶっころしたる!- はどう見たってやくざ映画のそれで、そう思ったらMockingjayのピンがやくざの代紋にしか見えなくなった。
それはそれでぜんぜんよいし、革命映画とし見てもMatrixなんかよか断然おもしろいの。

エンディングで流れるThe Nationalもしみるんだねえ。

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