4日の晩にシアトルを発って、5日の朝6:50くらいにどんよりしたJFKに着いて、到着したTerminal4にはShake Shackができたはずなので、もし開いていたら… だったのだが見当たらなかったので諦めてホテルに向かい、運よく部屋に入れたのでシャワー浴びて少し寝なければと布団にもぐったものの結局眠れず、10時過ぎに地下鉄でMetropolitanに行ってみました。
「バルテュス 猫と少女 絵画と挑発」
これだけはなにがなんでも見たかった。 今年の展覧会のベストかも。
"The King of Cats" (1935)
入り口にあるのが、猫を足下に侍らせてポーズをきめる若きバルテュスで、要するに挑発しているの。
わたしはここの常設にある「夢みるテレーズ」(1938)がこの美術館ぜんぶのなかで一番好きくらいで、それがあるのは当然なのだが、他にも同様の猫モノ、少女モノがずらずら。
しかしどの猫もひと目で「にゃー」となじりたくなるくらい不細工で、少女もそんなに美しいとは言えなくて、アウトサイダーアートみたいに見えないこともないのだが、少女、そして猫それぞれの姿態が四角の構図のなかにパーフェクトな陰影と共に納まっているのでなんも言えなくなる。
すべてがGame of Patienceの産物、ていうか。
"The Week of Four Thursdays" (1949)とか"Nude with Cat" (1949)、
"The Game of Patience" (1954)とか"The Girl at a Window" (1955)とかのあたりね。
あとは、なにこれ? みたいな、見れば見るほど吸いこまれていく幻視系、"The Golden Days" (1944-46)、"Girl with Goldfish" (1948)とか"The Cat of La Méditerranée" (1949)とか。
40年代の充実ぶりがすごいねえ、と思ったところで突然"Mitsou" (1919)の全40枚が現れたので少し驚く。
11歳のバルテュスによるこれも、猫だったんだ、と。
リルケのテキストはないのだが、一枚一枚を追っていくだけでじーんとくるの。
終りのほうでぐすぐす泣いているおばあさんがいたが、そんな切実な絵で、バルテュス見て泣かされるとは。 これも挑発か。
あと、あの有名な"The Room" (1952-54)はなかった。
別のいみで有名な"The Guitar Lesson" (1934)もなかった。
カタログ買った。Mitsouのトートも買った。
ここの隣で、もういっこ見た展示がこれ。
Interwoven Globe : The Worldwide Textile Trade, 1500–1800
キルトとかタペストリーとか、16世紀から19世紀にかけて世界各地で編み込まれたいろんな布、いろんな柄あれこれ。
六本木の一角獣も素敵だったが、あれとは別のスケールがあってこれもまたすばらし。 布フェチ編みフェチはぜったい行くべし。
アジアの文様もヨーロッパの文様もいろんな草花柄、いろんな動物柄も互いに重なりあい混じりあい、幾重もの「撚り合わされた地球」をつくっていく。アジアのかと思えばヨーロッパのだし、逆もまたありだし。 数百年の、何億のひと、何億の針と気の遠くなるようなちくちくの営為と。 ほんとにさあ、こんなにも針と糸で繋がっているのに、繋がってきたことがありありなのに、なんで国と国、種族と種族は鉄と火薬で戦争ばっかしするのさ?
世界中の小学生にむりやり見せて感想文書かせるべき。
10.19.2013
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。