8.19.2013

[film] Star Trek Into Darkness (2013)

17日の土曜日、六本木でみました。

3日間の特別先行上映、だそうだが、ふざけんじゃねえよ、地球規模で見たら後行の後行もいいとこなんだよ。
5月にアメリカのひととシンガポールのひとと話をしてたらこの映画の話になって、見た?え、見てないの?なんで?うそーありえないー、と散々あきれられた挙句ネタバレごめんねーとか言われつつ内容をべらべら喋られてしまった、そこから更に3ヶ月だよ。屈辱だわよ。
あんな馬男のイベントなんかでごまかしてないで、まずは肝心のブツをとっとと見せろってんだよ。 おかしいよ。
しかも幼稚園以下の、くそみたいにくだんねー邦画の予告ばっかしさんざん見せられて、洋画洋画いうつもりはないけど、そこまでして自国の産業守ってちやほやされてーのか中国かここは、とかおもったのだった。 
いじょう、いちおう"Into Darkness"モードで、ということで。

前段のエピソードで、リスクを冒して規則をやぶって仲間を救出したカークに対する審判があって、彼は副長に降格されてしまうのだが、その後に起こったテロで上の連中はほとんどみんな死んじゃって、その犯人(馬男カーン)追跡のためにエンタープライズが出動することになる。 犯人はわかりやすく捕まるのだが、彼は彼でカークと同じ行動原理で動いていることがわかってきて、さてどうする、カークはカーンを裁けるのか、なのだった。
自分の部下のために悪役として地球に対峙せざるを得なくなった悲劇の主人公よろしく、カーンはめっぽう強くて頭よくてかっこよくて、仲良くしちゃえばいいのに、悪いのは別のとこにいたんだし、なんでできないのかなにがいけなかったんだろうか、と、カークが悩んでいるにちがいないことで我々も同じように悩んで、そうこうしているうちに自分らみんな死にそうになっちまうじゃねーかどうすんだ、になる。

なので、大枠として「宇宙大作戦」とか大冒険とかからはちょっとだけ離れた、身内のこまこましたシェイクスピア劇ふう、が真ん中にあって、これは前作もそうだったけど、賛否があるとしたらそのへんだろうか。 前作でメンバーが揃って、今作で結束が固まったので、次からいよいよ暴れまくってほしいところ。
ただ、宇宙に今更もうフロンティアなんてねえだろ、とか、宇宙における絶対的な悪なんてねえだろ、みたいな共通認識がベースにあるのだとしたら、シェイクスピア劇に行ってしまうのもしょうがないのかも。 あと、相手をばりばりぶっこわすことよりも、エンタープライズ号がぼろぼろになってどこまで持ちこたえるのか、のほうが見せどころになるのもしょうがないのかも。

見せ場的なところでは、向こう側にあるでっかい船の通気孔にふたりでダイブしにいくところが面白かった。 
ぎゅーんて突っこんでいって間一髪でふたりともぐしゃ、って潰れちゃったら全宇宙がしーん、てなるよね。

今回はJohn ChoとAnton Yelchinの動きがあんまないのはつまんなかったけど、Simon Peggがばりばりじたばた活躍してくれるのがうれしい。
制服がとっても似合わないのはご愛嬌だが、バーで飲んだくれているとこまで見せてくれるのでよいの。

あと、相談役みたいに別(老)Spockを出してくるのはいかがなものかと。 昔のファンは喜ぶかもしれないけど、それって君の好きなロジカルな解決でもなんでもないよね、ただの打算だよね。

"Pacific Rim"をJ.J. Abramsが監督したらどうなっていただろう、とか少し思った。すこし見やすいものになったかもしれない。操縦席の撮り方とか、Guillermo del Toroも悪くはないんだけど鼻息が聞こえてくるくらいに生真面目で、ここでのCarolの着替えのとこみたいな、ああいうセンスがほしかったんだよねー。

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