見れる時間に見れるものは見ておかねば、ということで空き時間、29日の夕方、下におりてAngelikaに走っていって見ました。
Jane AustenもKeri Russellもだいすきなので、こいつはぜったいに見るつもりだった。
すんばらしくよかった。 もういっかい見たい。
30過ぎのJane(Keri Russell)さんは、10代の頃からのJane Austen狂いで、特に95年のTV版「高慢と偏見」でColin Firthの演じたMr.Darcyを心底愛していて、部屋に彼の等身大パネルを置いて、インテリア小物は全部ださめの英国調で、"I ♡ Mr.Darcy"のバッグを抱えて、パーフェクトな彼を求めて彷徨っている。 とうぜんの帰結として、男はあんまよってこない。
そんな彼女が休暇をとって、イギリスにあるJane Austenのテーマパーク"Austenland"に行く。 みんなで英国Regency Era(摂政時代)の衣装を纏い、刺繍したりダンスしたりいろんなアトラクションが毎日あって、そういうのをしながら理想の恋人を探してみよう! なの。
いちおうふたりくらい、それらしいのは引っかかってきて、小説のなかのようにどうしようかしら、になるのだが、やはり現実は。現実としては。
最初に小説にはまって、それからTVとか映画にはまって、自身のファンタジーの土台をばしばし固めていって、最後にフィクションの世界そのもののなかに自らが乗りこんでいく。 虚構のただなかでファンタジーが膨れあがればあがるほど、ぶちあたるリアル現実の壁はより堅く、より痛くなっていき、Jane Austenの小説の主人公たちが聡明な目と心で壊したり切り抜けたりしてきたそんな道をJaneは渡ることができるのか。 Jane Austenの世界に楽しく浸るつもりできたら、ほんとにJane Austen的な葛藤と逡巡の世界を生きることになってしまった、という大枠があって、それくらいJane Austenは深くおもしろくアクチュアルなのだ、という啓蒙路線をあえて取らず(どっちみちおもしろいんだしさ)、現代のJaneが自分で自分の道を切り開いていく、そんなお話しにしたところがえらいの。
Jane Austenの古から、男共は死ななきゃ治らないくらいに愚鈍で、女も半分くらいはしょうもないけどちゃんとした娘だっている、よい娘さんになりたかったらJane Austenを読みなさい、ていうのと、読まなくてもいいけどとにかく恋せよ乙女! ていうのと。
あえていうなら男優陣がちょっと弱かったかも。 Bridget JonesにおけるColin FirthとHugh Grant、とまでは言わないけど、あれくらいのタマがいてくれて取っ組み合いしてくれたらなー。
音楽はー "Lady in Red"とか、"Bette Davis Eyes"とか、"Total Eclipse of the Heart"とかいった、80年代の王道がものすごくきれいにはまるのはなんでなのか。 なぜなら80年代の物語のコアは、Jane Austen的な身振りとはったりの舞いのなかで真実の愛をひたすら信じて追い求めることにあったからだ、と、これもまた80年代風の物言いで。
監督は"Napoleon Dynamite"や"Nacho Libre"の脚本を書いていたJerusha Hessさんで、こんどのもラストのほうのやりとりなんて、本当にすばらしいったらない。
あと、ProducerにはStephenie Meyerの名前があって、ああこのおばはんはやっぱし.. とも思ったのだった。
8.31.2013
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