7/13の土曜日、ユーロスペースの特集「ポルトガル映画の巨匠たち」の初日、売り切れてたかも。
Miguel Gomesの長編デビュー作、「自分に見合った顔」。 英語題は"The Face You Deserve"。
30歳の誕生日の日、小学校の先生をしているフランシスコは学芸会のカウボーイのかっこで、「白雪姫」を発表するガキの面倒を見てじたばたして、同僚の女の子とは噛みあわなくてどうでもいい事故にあって病院に行って、要するにぜんぜんさえてなくてつまんなくて、こんなんで30なのかよありえねえよ、と泣きながら山小屋に行って鏡を見たらはしかで顔中ぶつぶつでとっても死にたくなる、と。
ここまでが第一部で、第二部は、病に倒れたフランシスコ(第二部では姿を見せない)の内側だか外側だかで彼にかしずく7人の小人(たぶん)達のじたばたを描く。ひとりひとりの名前とかキャラとか上下の紹介がちゃんとあって、彼らが森で暮らしてハイホー歌いながら共同生活をしていくなかで勃発するあれこれを通して、フランシスコひとりでも大変なのに小人達だってそれどころじゃないんだ、どうするんだ、って。
彼らとフランシスコがどういう経緯で主従の関係に至ったのか、彼ら同士がどういう事情や巡り合わせで一緒になっていったのか、それは自分たちの意思だったのか徴兵みたいなものだったのか単なるフランシスコの妄想が生んだ連中なのか、第二部でのいろんな出来事を通してあれこれ推測できるのだが、どうとでも取れるような怪しげなおっさんや若者達の集団なので、ま、楽しそうならいいか、って。 それにしても、「30歳までは神から授かった顔、その後は自分に見合った顔に」 なれるのかこんなで - とはおもった。
途中から「掠奪された七人の花嫁」(1954) みたいになったら楽しいのに… とちょっとだけ思ったが、そこまでの冒険はしなかったのね。
デビュー作ていうのもあるのか変なところに変な力が入っているふうで(Miguel Gomesてどれもそんなかんじが…)おもしろかったけど、よくこんなどーでもよく変てこな話考えたもんだよね、だった。
映画のスチールで目隠しをされている彼は、"Tabu"で若き日のVenturaを演じたCarloto Cottaさんです。
8.12.2013
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