ほんとは火曜日に見たかったのだが、たいぷーのやろうがさあ。
で、水曜日の晩にみた。 『こわれゆく女』。
Peter Falkが土木作業員の夫で、Gena Rowlandsがその奥さん(Mabel)で、ふたりの間には子供が3人いて、Gena Rowlandsがだんだんおかしくなっていって、強制入院させられるところまで、と、それから6ヶ月して、退院して家に還ってくるところと。
見るのは3回目くらい。
見ていて決して気持ちのよい映画ではなくて、"Opening Night"とか"Love Streams"と比べてもGena Rowlandsの痛ましい壊れっぷりとばりばりのテンションは群を抜いてリアルで、はっきりとこわい。 演技が凄すぎてこわい、というよか、それ以前に、カメラの前にそんな姿を曝せてしまうことのすごさ、おそろしさを思う。
じりじりやってくるこんな世界に関わりたくないかも、感ははんぱでない。
それでも、というか、それだからか、一番泣けてしまう映画であることも確かで、これはひょっとして歳のせいか、とか思ったりもした。でも、なんで泣けてくるのか、あんましよくわからないの。世界にはまだまだ未知の世界がいっぱい転がっている、とかいう台詞はこういう映画を見たときに言うべきなんだよ。
この映画を最後にみたのは、2005年、BAM CinematekでのJohn Cassavetesの回顧上映のときで、このときは、上映後にGena RowlandsとPeter Bogdanovichのトークがついていたの。
Peter Bogdanovichさんはこのとき、この映画にかつて存在した4時間版のことを言っていた。
最初にそのラッシュを見て「とにかくとんでもないもんだった」と。
で、その横のGenaさんも、「そうそう、そういえばあったわねえ」と頷いてて。
でも、劇場公開されたとき、なぜか現在の長さになってしまっていたのだという。
うー 4時間版がみたいよう。
もういっこ、Genaさんが力強く言っていたのは、「この映画は女性映画なの。女性をひどく不気味に描いた、とか言われるけど、絶対そんなことはないの。女性の強さと美しさをこれほどまでにきちんと描いた女性映画はないのよ」と。(場内拍手)
ほんとうにそうなの。
この作品と"Wanda" (1970)が、この70年代の2本が、女性映画(というジャンルがありうるのだとしたら、だけどね)のベストだとおもう。
Wandaのたった一人の彷徨い、この映画でなにがなんでも立ち上がろうとするMabelの気概、これらが例えば、90年代以降、"Thelma & Louise" (1991)やSATC、更には最近の"Girls" (邦画じゃないよ)あたりまで、どうやって転がっていったのか、時間があったら考えてみたいところ。
あと、このニュープリント、色がとにかくすばらしくいかった。
スポンサーブランドはだいっきらいだが、お金を出してくれるならそれでええ。
これの後、この特集でCassavetesはあと2本見ているのだが、書くのはもうちょっと先かも。
6.24.2012
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。