2.11.2024

[film] Mean Girls (2024)

1月31日、水曜日の晩、ODEON Luxe West Endで見ました。

Rosalind Wisemanの”Queen Bees and Wannabes” (2002)をTina Feyが脚色してLindsay LohanやRachel McAdamsが主演した映画版 “Mean Girls” (2004)が2017年にミュージカルになって、そのミュージカルを再びミュージカル映画にしたのがこれ。 学園ドラマをみんなで歌えるミュージカルにすることについては”glee” (2009-)のこととか、その舞台ミュージカルを映画化すること、についてはいろいろ考えるところもありそうであるが、学園内の階層と宗派、その攻防を描くこういうのはおもしろけりゃいい、って思うことにしている。どうせわかんない世界のことだし、Tina Feyが脚色に関わっている限り変なものになることはないだろうし。

2004年の映画版を見たのはNYのSONY(今はLoews)シアターで、客席のティーンと思われる女の子たちがみんなわあわあ大騒ぎしていたのが印象に残っていて、これは彼女たちの映画 - そこにいた彼女たちのありようにそれなりに触れている映画、なんだろうな、って。

さて、今回のミュージカル~映画版は? となったときにまず気になったのはXとかαとかマーケティングの世界で語られる最近の世代のこととか、デジタルとかソーシャルとかTikTokとか、あとはLGBTQIA+とか、モデルとなる彼ら彼女らを取り巻く環境とか属性などがものすごく変わってしまったように見えたので、”Mean”の意味とか笑いとかオチとかのありようも変わっちゃって、期待したような動きどころか、なにを言ってるのかやっているのかすら意味がとれなかったりわからなかったりしたらどうしよう、って心配していたのだが、制作はLorne Michaels + Tina Feyだし、なんの心配もいらないのだった。(というか、ひょっとしてそういう懸念を抱いてしまっている最初の”Mean Girls”を見ていた親の代を安心させるためのものだったりする?)

冒頭、母親の研究でずっとケニアで暮らして自宅学習で学校に行ったこともなかったCady (Angourie Rice)がいきなりアメリカのハイスクールに通うことになり、群れのはぐれ者コンビのJanisとDamianからいろいろ教わりつつ学園内の掟や縄張りなどについて学んで、みんなに恐れられている女王蜂のRegina (Reneé Rapp)とその仲間に召し抱えられたり、ReginaのExのAaron (Christopher Briney)にぽーっとなったりしていくのだが、そこには嘘に裏切り、忖度、脅迫、血も涙もなんでもありのものすごい世界があるので楽じゃないんだよ相変わらず… というあたりを伝えたい、そこで音楽とダンスががんがん鳴りだして、その曲が転写するエモの描写になってしまうのでそんなに迫ってこないのと、そういう気がしてしまうのはどうせ音楽がやってきてみんなで歌えばー、などと年齢的なところも含めて自分が思ってしまっているからだろうか、ふつうに楽しめて、ああよかったねえ、で終わってしまった…

もちろんそれでよい – ここ50年くらい、進歩も退化もしない平地の世界があって、それはなんだかんだ高慢と偏見に溢れた残酷な世界でもあってなかなかしょうもない – まさにSNLがそうであるように – のだが、相変わらずだめだよねえって思いつつしょうがないか、ってなってしまうのはたぶんこっちがよくない…. という具合に、それぞれ見る世代によって距離のとり方とか感想も違ったりするのではないか。でもミュージカルでそういうふうになってしまうのってよいのかな、とか。

でも、もうちょっときちんとReginaの闇とか虞れとか、描こうと思えばできただろうに、それをやるとシャレにならなくなっちゃうのでいろんな配慮もあってあの程度にしといた、のかしら。あるんだろうなー、くらいの配慮の度合いが透けるかんじが少しだけ。なんか。

あと、これは200%自分のほうの問題なのだろうが、音楽がぜんぜん来なかったかも。

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