2月7日、月曜日の晩、Tohoシネマズの日比谷で見ました。前日に見た”Ghostbusters: Afterlife”よりぜんぜんおもしろいじゃん、と思った(ああでも、Ivan Reitman.. RIP)。124分はちょっと長かったけど。
冒頭、コロンビアのボゴタで、悪組織がどんなネットワークもハッキングして中に潜入して破壊工作をすることができる魔法のデバイスをお披露目する - と思ったらそいつは銃撃戦の末にどこかに持ち去られる。
CIAエージェントの"Mace" Browne (Jessica Chastain)とNick (Sebastian Stan)はハネムーンのカップルを装ってパリに飛んでそのデバイスを奪還しようとしてて、昔から知っているふたりは新婚のフリをしよう、ってそのまま寝てしまったりして、そしたら当日の土壇場でドイツの諜報員Marie (Diane Kruger)からの横やりが入り、それを持っていたコロンビアの諜報部員Luis (Édgar Ramírez)は殺され、Luisを引き取りにきた精神科医のGraciela (Penélope Cruz)が残され、現場から姿が消えたNickについては死亡した.. と言われてしまう。
組織同士で張り合っている場合じゃない、とMaceはかつてMI6にいたサイバーセキュリティ専門家のKhadijah (Lupita Nyong'o)を訪ねて、デバイスを追い始めるとそれはやっぱり悪い奴に渡っていて - 試しに飛行機がいくつか落とされる - 上海でオークションにかけられる予定であることがわかる。
ここまでずっと喧嘩していたMaceとMarieと、彼とのデートを引き伸ばしてきたKhadijahと、あたしは戦闘の訓練は受けていないので帰らせてというGraciela(でも帰ったら家族が狙われるかもよ、と言われて留まる)に上海の組織のLin Mi Sheng (Fan Bingbing)が加わって、闇取引と連動したオークション会場での奪還作戦が繰り広げられるの。
てことは、“Ocean's 8” (2018) みたいに華麗に着飾った女性スパイたちが.. と思ったらそんな簡単にはいかなくて、このあとで更にひどいことになったりするのだが、とにかくみんなしぶとくがんばる。
監督はX-Menの一番新しいやつ - ”Dark Phoenix” (2019)で監督デビューしたSimon Kinbergで、その前には”X-Men: Apocalypse” (2016)や”Logan” (2017)の製作とか、”Mr. & Mrs. Smith” (2005)の脚本をやっていた人なので、敵対する組織のメンバー同士がハードにいがみ合いながらもタフな事件を解決するお話しには割と親和性が高い、のかもしれない。
なので、“Charlie's Angels”のようにおちゃらけてはいなくて怒りが充満していて、“Mission: Impossible”みたいに組織化されてはいなくて、James Bondに対しては彼って現実の生活とは無縁だし一人でやれていいよね、みたいな皮肉(MaceがKhadijahにいう)も出てきたり。この辺、最後の方で女性にとってきついのはここだろ、みたいな取引(脅し)の場面が出てきてなるほど、ってなったり。 あと、タイトルの”355”は独立戦争の時に活躍した女性スパイのコードネームで、彼女(たち)の歴史における無名性も皮肉のように貼り付けられている。
製作も兼ねているJessica Chastainさんは”Dark Phoenix”の撮影時にSimon Kinbergとこの辺のドラマ込みのスパイアクションをやってみたいと思ったらしく、だから尺が長くなっちゃったのか、とか。とにかくJessica Chastainさんのべらべら喋りつつざっけんじゃねえぞこのクソ男どもがー!ってなる顔や態度が好きなひとには思いっきり炸裂してくれるので勧めたい。 そして、この苛立ちは父親が二重スパイであることを自分が発見して告発した、というトラウマをもつDiane Krugerさんの内面に向かう苦みと対になっているようで、結構しみてくるかも。
ただ、あれこれてんこ盛りになってしまうことは承知しつつも、ファッションとかもうちょっと凝ってくれてもよかったのではないか。やってサマになるみんななのだし。
あと、このデバイスの脅威(と恐怖による支配)に立ち向かったのがなぜ女性の彼女たちだったのか、という視点が – たぶんこれは掘れば出てきそうなことだけど、そんな明確になっていない – あったらなー。その場の怒りと成り行き、のような形で展開してしまうのだが、実はそうではないのだ、という持っていきかたもあったのでは。
最後の方で、Penélope Cruzが脅迫された先の家族のビデオにJavier Bardemが映っていたらおもしろくなったのにな、とか。 あと、もし続編が作られるのだとしたら、ぜったいMelissa McCarthy(とMiranda Hart)は入れてやってほしい。
2.14.2022
[film] The 355 (2022)
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