2.11.2022

[film] Ghostbusters: Afterlife (2021)

2月6日、日曜日の夕方、TOHOシネマズの日本橋で見ました。
文句も含めていろいろ言いたくて、故にそれなりのネタバレはしているはず。なので読むひとは注意を。

おおもとの”Ghostbusters”(1984) - “Ghostbusters II”(1989)に続くもので、Paul FeigによるReboot版 ”Ghostbusters”(2016)はきれいになかったことにされている。

オリジナルの84年版の監督だったIvan Reitmanは製作にまわり、監督はJason Reitman。
オクラホマのSummervilleという畑と遠くに廃坑となった鉱山の山が聳える一帯で、あるおどろおどろしい晩、車で農家に突っ込んできた男がゴーストを仕留めようとして失敗して.. というのが冒頭。

シングルマザーのCallie (Carrie Coon)は破産して住むところがなくなったので亡父の遺した↑の農家に子供たち - Trevor (Finn Wolfhard)とPhoebe (Mckenna Grace)を連れて越してくる。落書きとガラクタだらけの廃墟にうええーってなっているとあーら懐かしJanine (Annie Potts)が顔を出して、ここの資産管理をしているものですが、とか言うの。

Trevorはダイナーでバイトを始めてLucky (Celeste O'Connor)に近寄っていって、科学大好きのPhoebeは家にあったガラクタをいじったり変な現象 - チェスの駒が勝手に動いたり - を追っているうちに学校の科学の先生 - Gary (Paul Rudd)と知り合っていろいろ教えてもらったり、同様の変な子 - Podcast (Logan Kim)と仲良くなったり。

いろんな変なガラクタはすべてPhoebeのおじいちゃんが遺していったものらしく、それが家の中でもちらちらしているゴーストにまつわるものであること、更におじいちゃんはGhostbustersであったことがわかって、あの車とか「彼らの」防護服が発見され、それがわかった時には既にそこら中にゴーストが溢れていて、NYで活動していたおじいちゃんがなぜここに来たのか、なにをしようとしていたのか、が明らかになってくる。そして久々にGozerとGatekeeperにKeymasterが現れて..  

筋としてはこんなかんじで、これがオリジナル版を見ていない人たちにどれくらい訴えるものなのか.. はわからん。そしてこれがオリジナル版をとっても愛していた人たちにどれくらい届いて響くものなのか..   

あのさー、まず、”Ghostbusters”ってコメディなのよね。少なくとも原作を書いたHarold RamisとDan Aykroydは大都会NYを舞台にした笑える怪談SFコメディ活劇としてこれを作ったのだと思う。2016年のReboot版もそう。でもこれはそういうところを志向したものにはなっていない。趣旨がHarold Ramis追悼だったのだとしても、であればなおのこと、どこまでも転がっていって唖然として笑いが止まらなくなるようなものにすべきだったのではないか。Jason Reitmanではムリであることはわかるけど。

オリジナルの84年版は、科学者としてはどこからもお呼びがなかった除け者たちがゴーストを発見して仕留める方法を見出してそれが結果的にNYと世界の危機を救う、そういう痛快なやつで、この部分 - 逸れものの逆襲 - は母親と打ち解けることができないPhoebeのエピソードを軸に受け継がれているとはいえ、ほぼそれだけのようで。

ストーリーの真ん中くらいでGhostbusterのおじいちゃんは(ある程度わかっていたとは言え)Egon Spengler (Harold Ramis)であることが明かされて、すると最初の方に出てきたJanineって.. ?  SpenglerはJanineと一緒になったんじゃなかったの? じゃあ他に誰がいたっていうの? って混乱するし。

Paul Ruddだってさあ、Ant-ManなんだからPhoebeとタッグを組んで大活躍してくれると思ったのに、Rick Moranisの役どころかよ、とか。

あとさー、ゴースト少なすぎ。 あの廃坑が総本山なのだとしたら怪獣みたいなとんでもないやつをじゃんじゃか噴出してくれたってよかったのに、マシュマロマンはちっちゃいのがうじゃうじゃいるだけで、あれじゃまるでグレムリンじゃないか。想像してなかったようなすごいのが登場してはじめて最後の揃い踏みが活きて感動するんじゃないかー。84年版のマシュマロマンは、そういうやつだったのだし。

あともちろん、Paul Feig版を無視したのが、どうにも釈然としない。こんな世の中なんだから繋いじゃったってよかったのではないか。Pheobeが電話してみたらChris Hemsworthの方に繋がっちゃったら、それはそれで面白くなったと思うし。そんな支離滅裂で破天荒なことが起こる深く壮大な世界のお話だったはずだ。それが「アメリカ」なのか、は(つねに)あるにせよ。

“Afterlife”でしょんぼり - とまでは言わないまでもあんなふうにしんみり感動してしまうのって、84年版を体験した老人たちには辛いと思うのよ。その辺わかれよJason。
 

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