8月9日、月曜日の午後、米国のYouTubeで見ました。
A24制作で話題になっているから、程度。 実話ベースだとかそういうの全く知らずに。
冒頭、Zola (Taylour Paige)とStefani (Riley Keough)がバスルームでぎんぎんにメイクをしている。Zolaはブラックで、Stefaniはホワイトで、ふたりがどういう関係かはわからないが、どっちも魚のようにぴーん、と突っ張っていてどういう商売をやっているのかは推測できる。
やがてZolaの語りで、なんでこんなことになっているのか、その経緯を説明しようか、ってダイナーでウェイトレスをしていたZolaのところに客としてStefaniがやってきて、StefaniがZolaをひと晩、ポールダンスのバイトに誘って、Zolaはそれを受けてさらっと踊ってお金貰って、すると今度はStefaniから電話があって、週末にフロリダのタンパの方に出かけてちょっと稼いでくるクチがあるんだけど、乗らない? という。Zolaがいいよ、って返事すると車がきて、そこにはStefaniの他にStefaniの彼だというDerrek (Nicholas Braun) - ホワイト - と名前がしばらくわからない運転手のX (Colman Domingo) - ブラック - がいた。
タンパに到着して、ひと踊りするとXが寄ってきて、ある客がZolaを指名しているので会ってやれ、というので、自分はポールダンスしかしない、男とやるなんて言ってない、って突っぱねるとXは怒るのだが、しょうがないのでStefaniのところに来る客の受付とか集金をやれ、と言いつけられてホテルの部屋で客を待ってStefaniがひと仕事したら客からお金を受けとる。最初のが終わったとこで、いくら貰うことにしているの? とStefaniに聞くと$150、というので、冗談でしょあんたなら$500は取れるわ、ってその場で撮った彼女の写真に値札を付けてSNSに撒いたら腐れた男共がわらわら寄ってきて(ここ、みたくない映像いっぱい)、Stefaniはへろへろになるものの、ひと晩の稼ぎは$8000になって、Xからその手腕を認められて、じゃあ次のカモを、ってふたりでメイクをする冒頭のシーンに繋がる。 でも次の客はなかなかやばいやつで..
これは2015年の10月にA’Ziah “Zola” Kingという女性が彼女が過ごした週末に起こった出来事をTwitter上に148連投して話題になったのをベースに映画化したもの - というのは見終わってから知って、そう言われてみると、出来事がZolaの視点に寄りすぎていること、その割に(それ故に)彼女の内面があまり描かれないこと、結果として事実を並べただけの平板なものになっていること - よいわるい含めて - とかの理由がなんとなくわかるのだったが、映画を作るひとつのやり方としておもしろいかも、とは思った。そんなのもちろん、題材によるのだろうけど。
フロリダの方の何が起こるのかわかんないけどどう見てもやばい空気いっぱいだからやめた方がいいよ、っていうところになんも考えていない顔してパーティー! って突っこんでいく(のでハラハラする)系の昼と夜の映画として”Spring Breakers” (2012)とか、”Starlet” (2012)とか、”Tangerine” (2015)とか、”Sun Don't Shine” (2012)とか、怖いのも含めていっぱいあって、いつもはらはら見て怖いよう、って思う。
元々James Francoが監督する予定で準備していたのが例の事件で降りることになって、女性のJanicza Bravoが監督することになり、結果、たぶん、女性間があれこれ張り巡らす微妙なラインが見え隠れするおもしろいものになっている気がした。ZolaがTweetしなかったこと、絵文字の連なりに込めたもの、あるいは改変した何かもあったはずだし、男たちはどいつもこいつもしょうもないろくでなしばかりだし。その点で、男性からの文句や中傷は山ほど来そうだけど、そんなのぜんぜんつーんと跳ね返しそうな冷たさはよいと思った。
こわい夢のトンネルを抜けていくトリップのスコアはMica Leviで、ふてぶてしさと背筋が凍る冷たさと眩暈が交互に刺しにくるすばらしいやつだった。
帰国して丁度3ヶ月が過ぎた。お片付けしていない自分が悪いのだが、まったく戻ってきたかんじがない。
並行して、この数日間だけでもものすごく嫌なことがいっぱい起こって絶望してばかりなので、というのもあるけど、いまはまず、いろんな人命救助を優先して、そっちにリソースを割くことに全力を尽くしてほしい。 のだが、向こうはまともに対応しないではぐらかすようなことばかりしてくるので、余計にあったまくるのよね。 ひとの命をなんだと思っているの? ということに尽きるのだが。
8.15.2021
[film] Zola (2020)
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