8.10.2021

[film] F9 (2021)

8月7日、土曜日の夕方、TOHOシネマズの六本木で見ました。2Dで。 帰国後六本木行ったのははじめて。

“Fast & Furious”シリーズの最新作で9作目。”F9”がオリジナルタイトルで、他の国ではだいたい”Fast & Furious 9”みたい。    大漁旗とか暴走族の幟みたいな邦題はおもしろいと思うけど、ほんとバカだとおもうので書かない。

“Fast & Furious”のシリーズは英国でのロックダウン期間中に順番でがんがん放映してくれたりしていたので、それなりに語れるかんじにはなっていて、最初の方の西海岸ローカルのどっちが速いどっちがヤバい合戦がエリアを広げてインターナショナルになって地場のちんぴら悪合戦がなんでか悪の世界組織と戦っていくようになって、という流れは、このシリーズそのものが持つばかばかしい力業の痛快さに連なってて悪くないと思ってきた。Mission Impossibleというよりとにかく力ずくでPossibleに持っていってしまう愚連隊のお話し。ただいいかげん、あそこまでのどんぱちやっても誰も死なないし牢屋にも行かないし最後はファミリーで仲良くまったりやっているのはどうなのか、とかいいかげん思い始めたところ。 ブラジルで金庫を走らせたF5あたりがいちばんバランスがよかったような。

冒頭、70年代のアメリカのサーキットで、レーサーだったDomの父が事故で亡くなった時の記憶が再生されて、でもいまはアメリカのどこかの隔絶された地でLetty (Michelle Rodriguez)と子供と平和に暮らすDom (Vin Diesel)がいて、そこに世界中のどんなネットワーク防御も無効化できるデバイス強奪(もしこれが実現できたら世界中でIT奴隷にされてる労働者たちが解放されるからそんなに悪くない気がする)の件が持ちこまれる。なんでCIAでもMI6でもなくここなのか、ちっともわかんないのだがMr.Nobody (Kurt Russell)案件でCipher (Charlize Theron)も関わっているのだと。

そしたら反対側でデバイスを追っているのが、冒頭の父の事故死にも関わっていたDomの弟Jakob (John Cena)であることがわかり、当然ここは俺がやる、になっていつものメンバーが集まってくるのと、F6の最後で爆死したはずのHan (Sung Kang)と彼の養女のElle (Anna Sawai)が加わって、デバイスふたつとそれを起動するキーを求めての世界中での追っかけっこが始まる。父の死を巡るDomとJacobの確執はテーマとして掘り下げれば重みもあるし面白くなったかもしれないのだが、とりあえずはぼかすか殴り合うのみ。

前作で見どころのひとつだった車をハッキングして一括でコントロールする(これは無理だよねってすぐ言われてた)は、今回、強力な磁力で車を寄せたり剥がしたりになって、原始的だけどこっちのほうがおもしろいかも。あと地雷原を突っ走る(車が速ければかわせる)ところとか。結局シンプルな重力とのバトルが一番つよいってことか。

あと、前作の氷上で原潜とやりあった後は衛星を無効化するためにRoman (Tyrese Gibson)とTej (Ludacris)が宇宙まで飛んでいって(誰も聞いてない)不死身伝説を更新する。ここはベソスのはげが宇宙に行ったのに呼応しているのだと思った。 彼ら、宇宙線を浴びてスーパーパワーを、とかになってもよかったのに。

車とかメカが出てこない肉弾のほうのバトルはHobbs & Shawが出ていない分、DomとJacobの割とオーソドックスな兄弟喧嘩がメインになってしまい、やはりちょっと弱かったかも。同様にずっと恒例だったはずのびちびちの女性たちがレースを煽る場面もやや減ってきているかも。レースしている場合じゃないか、と。

Hanの帰還も含めてファミリーのReunionがテーマになっているのかも。車でぶんぶんぶっちぎってあーすっきりした、はあんまなかったかも。 F10ではきっとCipherの妹とか出てくるんだよ。 Hanだけじゃなくて実はGiseleも生きてました.. だったらよかったのにな。

東京よりもロンドンやエジンバラが出てくる方にきゅんとした。Helen Mirren、貫禄だねえ。



感染症対策も温暖化対策も、政府のなかに科学のことをちゃんとわかる人がいないとだめよね。
いまいないから、まちがいなく連中に殺されるよね。

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